内容説明
幕末、早くも訪れる日米経済戦争の嵐。新田次郎文学賞受賞の力作、歴史経済長編小説。幕府瓦解の真因! ――幕末、泰平の夢やぶる黒船来航と同時に持ちあがった、知られざる日米経済戦争。初めて体験する為替レートの複雑さに苦慮する、幕府の官吏。だが、その複雑さは真実、複雑だったのか? その裏に、力でゴリ押しする列強の圧力は、また謀略は、なかったか? 幕府瓦解の真因に迫り、その真相をさぐる。新田次郎賞を受賞した話題の歴史経済長編。直木賞作家の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっと
7
久しぶりの幕末ものであるが既視感ゼロ。なんたって「幕府を倒した最大の功労者はハリスにオールコック」(両者は開国当時のアメリカとイギリスの外交官)なんである。幕府権威の失墜のきっかけ桜田門外の変にしても、犠牲者の井伊直弼は幕閣の最高権力者ではなく外交や経済に不案内の為政者として言葉少なに描かれるのみ。通貨のフィルターひとつで、ずいぶんとみなさんの印象が変わる。金の流出を防ぐための措置が国内では物価高騰を招き、とくに浪人にとっては死活問題となって、開国・貿易・外人すなわち幕府の政策が困窮の原因に行き着く。2021/01/02
Splash
1
二つのことに驚く。幕末の米国初代総領事のハリスがでたらめな悪徳商人であったこと。そして為替レートが経済の根幹に関わる重大な交易条件であること。悪徳商人と知識の乏しい政権担当者のために、幕末の日本は大混乱に陥る。経済の舵取りは実に重要だと痛感。2016/06/14
okaka
0
テーマは面白いのだけど、解りにくい上に脱線が多く、小説としてはいかがな物かという印象。歴史を扱っているのに文が基本的に怨み節なのも後味悪し。2011/03/05
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