講談社現代新書<br> 教育は変えられる

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講談社現代新書
教育は変えられる

  • 著者名:山口裕也【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 講談社(2021/01発売)
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  • ISBN:9784065221822

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内容説明

「みな同じ」の一斉教育から、「みな違う」を前提とした、子ども一人一人にカスタマイズされた、「みんなを伸ばす」教育へ。明治以来の教育システムを根本から変える、本当の意味での「これからの教育」。その基本的な考え方と、具体的な実現方法を、著者による東京都杉並区の取り組みを通じて提案する。

「教育は、変えられる」――今、私は、そう確信しています。
「そんなこと、できるわけがない」
こう言うと、すぐにそのような反応が返ってくることが予想できます。
けれど、考えてもみてください。
広がる学力格差。増加するいじめ。減らない不登校。拡大する特別な教育ニーズ。そうしたことの総体として機能せずに荒れる学級……。教員の過酷な労働の原因にもなっているこうした教育の問題がいまや限界に達していることは、誰にも否定できないはずです。
では、どうすればよいのか。
私は、杉並区教育委員会のスタッフの一人として、ある、「そもそも」を問い直すことから始めました。
「そもそも、教育は何のためにあるのか」
その答えは、とてもシンプルなものです。
「自らの道を拓く『自立』と、誰もが共に生きる『共生』のため」
「自立と共生のための『学び』を、『すべての人』に届けるため」
自立と共生は、「支え合い」の関係にあります。誰もが共に生きられる世界があればこそ、すべての人が自分の道を拓くことができます。自分の道が拓かれていく実感の中でこそ、すべての人が共に生きることのできる世界の大切さが分かります。
そう、教育には、公的な機関が携わることで、すべての人が学びの機会を確実に得られるようにし、一人一人が自らの道を拓けるようにする意味と、みんなが共に生きられるようにする意味があります。この二つの意味を、分かつことなく支え合うようにして満たすこと。それが、教育の目指すところなのです。
(「はじめに」より)

目次

はじめに-ーー教育は変えられる
第一章 自分の物語を生きるための学び
第二章 生かし合う人材と組織
第三章 求めに応える施設・設備
第四章 引き受け支え合う行財政
第五章 自分たちの物語を紡ぐための公教育
おわりにーー教育は変わる

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あべし

8
 タイトルに惹かれて購入した本。  教師一人がどんなにがんばっても、世の中の教育を変えることは難しい。しかし、大人たちが本気になって未来の社会のために今の子どもたちに最大限の教育ができるよう働きかけることは、とても大切だと改めて思った。  一方で、今後も大切にしておきたい価値観を教えてもらった。  「みんな同じ」から「みんな違う」という土台。  「集合的効力感」。  この2つは特に面白いと思った。自分たちで決定し、自分たちで課題を解決していく。そうすることで集団としての自信を深めていく。支え、が大事。2021/02/17

totuboy

4
今教育は大きな変革期に差し掛かっている。大学入試共通テストが変わったことをきっかけに、小中学校での学び方についても教師が工夫を凝らしていく必要がある。氏の言うように個別最適化、個に応じた指導は必要だと思うが、25人学級を実現させていくためのハード面の整備をどうしていくか、教室などの物的環境、教員の人件費などどのように解決していくかは考えなければならない。国民一人一人が「自治」の名のもとに、どれだけ教育にお金をかけてもいいといえるか、覚悟が問われている。2021/02/09

ほうむず

3
○ステップ3+1 ①学習者の自己選択の機会を最大化し、学びを自己決定で貫かせる ②教科等の特質に応じた見方、考え方が広く深く働く条件を整える →主体的な探求と内発する協働を軸にして学びを進める=子どもたちの学びたいを最大限生かしつつ、教科として学ぶ内容を自ずと身につける条件を、自然に設定できるか →いつの間にか、全員ができるようになっていた ③学習評価を個別化、多様化する →全員が完全修得を目指す内容と一人一人が内発的に発展した内容を区別する +1環境構成の主体を委ね、教員は支援者、共同探求者となる2023/08/11

oooともろー

3
多様性と一貫性。自分のことは自分で決める。共治。著者が杉並区で実践してきたこと。机上の空論ではない確かな手応えが感じられる。2021/10/21

今Chan

2
教育の理想が見えにくくなっている昨今、自分の教育観を紡ぐに役立つ本だと思う。教育にもお金をかけないといけないとは思っていたが、あのデューイが学校施設を見て「子どもが生活する場所ではない」と喝破していたのを知り、教育を取り巻く環境の変化の遅さを改めて思った。2021/04/16

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