内容説明
先行き不透明な“ニューノーマル”の世界を疑え!!
学問領域のみならず、テレビ、新聞、Webメディアなどで幅広く活躍する哲学者・西谷修による、現代の人間が「哲学的に考える」ことについての超入門書。
キャッチーだけど空疎で怪しい「言論」がネット空間を埋め尽くす今の社会で、人間がまともにものを考えるためにはなにが必要なのか? そもそも考えることってどんな意味がある?
古代より人類に脈々と受け継がれてきた「哲学の伝統」、現代社会を形作った「戦争と文明の歴史」、オリンピックにもかかわる「身体性」などのキーワードを深く解析。コロナ禍、無限に拡張するデジタル技術――あらゆるものが不安定かつ急激に変化する世界に、「ただ流される」ことなく生きる知恵のすべてがここにある!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ta_chanko
14
哲学とは、言葉を使って考えること。当然、地域や国によって言語が異なり、思考や哲学もその制約を受ける。日本は明治初期に大量の西洋語を漢字二字熟語に翻訳して採り入れ、近代化に成功?したが、かえって日本語だけで思考することが可能になり、日本的な偏見を助長することにもつながった。そうやって各国が無意識に独自の偏見を結集させていった結果が国民国家の形成であり、その対立が悲惨な戦争をもたらした。戦争も次から次へと形態を変え、国家間の戦争からテロとの戦いへ、さらには戦争の無人化へと非対称な形で進んでいる…。2021/04/16
Go Extreme
2
「考える」ことを考える:哲学的思考とは何か 言葉から哲学へ ソクラテスの墓標 哲学は役に立つのか 日本語で考えるとは 「考える」ことの実践/戦争とオリンピック:近代ヨーロッパ・アメリカの戦争 20世紀の世界戦争 神話の役割 新しい戦争 「文明」の構造 スポーツの中に生きる身体 人間の祭り 総論/サイバー・レールのその先へ:わたしとは何か 哲学の近代~現代 人間が生き残るために2021/03/04
宮崎太郎(たろう屋)
1
人間は考える生き物だ。その歴史で何を考えてきたか、一言で言えば殺し合いだ。それでも考えることを止めず、歴史から学び、生き残っていかなければならない。 簡潔ながらも歴史を短く紐解く言葉は鮮やかでした。最終章はもう一度ゆっくり読みたい。2021/05/08
pyidesu
0
現代の技術とコロナも見据えた「不死のワンダーランド」、ではあるが、主意はそんなに変わらない。2021/09/12