内容説明
青年の普遍的思索。500万部突破の世界的名著、待望の新装復刊。青年期の心を巡る、生き方を探し求める心理エッセイ。◆訳者新装版あとがき:きたやまおさむ◆推薦:山崎まどか(コラムニスト)「(前略)どのページのどの言葉も覚えている。久しぶりに手にとって、これはもしかして、いま必要とされている言葉ではないかと考える。北山修の名訳だ。」◆装画:中田いくみ(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
66
1976年に出版された本。いつの時代も人の感情面での悩みというのは変わらないものだと感じる。人間関係はもちろんの事、自分自身の心の動機や、ホントのホントの本心というのも実は分かっていないのかもしれない。共感出来る部分と出来ない部分はあるものの、著者の正直な思いに触れた気がする。2021/01/24
ツキノ
22
1976年にアメリカで無名の著者、小さな出版社から発行され、数年の間に百万部を売り尽くしたという。日本でも1979年に出版されたものの復刊。小説ではなく、章立てもなく「個人の日記」の抜粋。帯には「心理エッセイ」とある。「あるがままを受け入れる」(56p)「批判」(130p)が刺さった。2021/04/18
Roko
19
この本の初版は1976年に出版されました。何年経っても人の心の在り方というのは変わらないのですね。自分がやりたいと思うことを押し通していいのか?自分が誰かのことを嫌だと思うのは何故なのか?と悩んだり。人のためと思ってやっていることが、実は逆の作用をしてしまうということに気がついたり。どのページを開いても「そうだよね」と思うことばかり。そうか、そういうことに悩んでいたのはわたしだけじゃないんだと気付いたり。どこから読んでもいいんですよという著者の思いは今も生きているのです。#NetGalleyJP2021/01/12
ノブヲ
13
ページの大きな空白に委ねられた宙吊りの散文は、ときにマンガのセリフを思わせる。「自分が何かをいやに熱心に主張している時は、実はそのことについて自分も納得していないのだと思って間違いない。」とかね。なんにせよ、「生きる」ことの困難が語られている。よくいえば友人の何気ないたわごとを聞いているようでもあり、すべては自分の泣き言(弱音)のようにも思えてくる。またその反対に、説教節のように、やかましく響いてくることも。そのときどきの読み手の心持ちひとつでいくらでも音色を変える不思議で、瑞々しい散文集。2023/11/02
金木犀
4
読んだ雑誌で紹介されていて、とても気になった一冊。アメリカでカウンセラーをしていた"ぼく"によって綴られた日記。どこか哲学的であり、自問自答を繰り返しながら心理に訴えかける言葉の中には、ハッとさせられるものがあった。特に「ぼくにとって孤独とは、バラバラになっていた自分のいろいろな面をもとに戻すことを特に意味している」「愛を得ようて努力しないで、愛情そのものになる」という言葉が心に響いた。迷った時に手に取って読み返したくなるような本。2021/06/14