もどろき・イカロスの森 ふたつの旅の話

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もどろき・イカロスの森 ふたつの旅の話

  • 著者名:黒川創【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 春陽堂書店(2021/01発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784394190202

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内容説明

親子三代の人生と記憶、 土地の歴史が重ねられる京都を舞台とした「もどろき」、 十代の旅の思い出と、 北サハリンで出会った人々との交流と描く「イカロスの森」。 芥川賞候補にもなったふたつの「旅」をめぐる作品と、 初の書籍掲載となる小説「犬の耳」、書き下ろしの解説を所収。

池澤夏樹 推薦
血族、旅先の出会い、淡い恋、人と人は言葉を交わし、運命の舞台でゆっくりと舞う。背景には京都やサハリンの地名が星座のように刻印されている。季節は移り、生きることが大らかに肯定される。たとえ私たちが「いかなる歓喜の中にあっても無限に悲しい」としても。 この二篇の小説を読み終わるとどこか遠くへ行きたくなる。結局のところ世界は美しい、と思えてくる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

minazuki

15
新刊=新作と思い込んで買ってきたら、2001年・2002年に刊行されたもの。読み始めたら面白い。引き込まれました。/「もどろき」自転車を偏愛する米屋の祖父。祖父の養子で、市役所勤めののち、60歳代で自ら命を絶つ父。小説を書き始めた私。作者自身の一族の物語のようである。もどろきとは、京都の北にある環来神社のことで、故郷に帰り来れるといういわれがある。/「イカロスの森」温泉宿の主人から聞いたサハリンの話。そこから発展して、「死の黒い湖」を求めて北サハリンを旅する。旅ってこういうものだと思わされる物語。2020/12/09

hasegawa noboru

8
「もどろき」老後考え抜いた末、自死を選んだ父、そのあと病死した血縁はない祖父の話。記憶を整理したどる「私」と妹の還来(もどろき)神社への小さな旅。帰って一週間死んだ父からのメールが来ていた。<夢のなかで、懐かしい死者に会うような>孤独。<それでも、ひとは、夜が明けると、たった一人に戻って、目を覚まさなくちゃならない。> 「イカロスの森」樺太引き揚げ者から聞いた『死の黒い湖』を尋ねる北サハリン、オハへの旅。もてなしを受けた現地家族の女主人から贈られた別れの言葉。よく亡き両親から聞かされたという<遠来の客人が2020/12/24

押さない

3
8/10 『もどろき』『イカロスの森』『犬の耳』ストーリー部分と、地域の歴史叙述・哲学的な会話部分の手触りや文体が全く異なる。分離しちぐはぐだったそれらが、時折音を立てて共鳴する箇所が生まれる。『もどろき』における共同体が解体され個となっていた家族が、父親のあの時の会話、残された人の意志による立ち位置が、デッドメールにより明らかになる部分が代表的な例だ。2023/04/27

ひろ

1
愛も、人生も、旅も、なかなかうまくいかないけど、そもそもそういう心許ないものなのかも、とか思う。2023/03/14

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