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内容説明
「2人に1人ががんになる時代」。日本人女性の乳がん罹患者数は、2019年には9万人以上と女性のがんでは最も多い。乳がんは罹患数に比べると死亡数は少なく(がん罹患数予測より)、多くの患者が手術・治療を行い、日常生活に戻る。しかし退院すれば終わりなわけではなく、患者とその家族にとっては「退院こそが始まり」なのだ。
本書の原案を手掛ける藍原育子さんは、30代後半、3歳の娘の子育て真っ最中に乳がんを患った。健康系の雑誌ライターとして知識も豊富、毎年検診を受けていたにも関わらず…。初期ながら全摘を選択、転院を経て手術を行う。「これでまた、普通の生活に戻れる」と思った退院後に、術後の痛みや体調の変化、再発への不安などから、心と体のバランスを崩す。がん患者を専門に診察する精神腫瘍科医に通院し、乳がん患者向けの整体院で体のケアを行うなどしながら5年かけて家族が再生していく、その「闘病後期」の日々を中心に1冊のコミックエッセイにまとめました。
医療監修:湘南記念病院乳腺センター 土井卓子氏/コラム監修:埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科 大西秀樹氏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
42
母が二回乳がんになったのでこのがんには個人的な思い入れがあります。50年近く前の治療法と今は全然違いますが、患者が体験する辛さに変わりはありません。母は自分の辛さを隠すことはありませんでした。どちらかというと仲間同士で語り合い、励ましあっていた姿を覚えています。辛さは言ってくれないとさらにわからない。数多くのエッセイマンガを読むと、心の治療の一環として描いている人も多いことに気づきます。やっぱり心うちを明かすのは大切なことなんだと思います。2023/02/02
Twakiz
27
医療系ライターの方の乳がん闘病記,絵はかわいいのだけど内容は重い.「知識」として知っていたことと当事者となった体験では大きく異なるのだと知る.「怪しげな情報に惑わされないで」と記事を書いていたご本人が占いにすがったりされる場面が象徴的.「がんばれ」も「可哀そう」も「初期でよかったね」も「もっとつらい人もいる」もすべて追い詰める言葉になりうる.やっぱりですね,がんは「検診の意義が証明されているがん検診をきちんと受ける」に尽きる.女性なら乳がん・子宮頚がん.大腸がん・日本人は胃も.2021/07/25
くさてる
21
医療系の記事を書いてきたライターさんによる乳がん体験記をコミック化したもの。乳がんに限らず、病気というものはひとくくりに出来るものではないけれど、大きな経験をした苦しみと哀しみ、いらだちやさみしさなどを、ひとりひとりの体験として知ることには意味があると思います。柔らかくて見やすい絵柄、添えられている解説が分かりやすいことなども良かった。おすすめです。2021/04/10
ごへいもち
20
やっぱりこんなふうに心が揺れるだろうなぁ。読友さんご紹介本2021/04/14
マク
13
記録2021/09/08