内容説明
「基地賛成派の意見を封殺している」「事実をねじ曲げている」──。ネットや保守論壇から批判されることの多い沖縄の新聞報道。そうした批判に地元紙の記者は、どう答えるのか。最新の動向も加筆し、「沖縄バッシング」の実情に追る。解説:望月衣塑子。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海燕
18
調べたところ、沖縄では「琉球新報」「沖縄タイムス」の2地方紙が98%ものシェアを占めるらしい。反基地をとなえ、政権に対して批判的な言説も辞さない。これが東京や本土から見ると偏向報道となるのだが、では基地が沖縄に偏って所在しているのはどうか。単に日米安保の問題として片付けられない。本書で度々語られるように、1995年の米兵による少女暴行事件をはじめ、米軍関係者による事件は後をたたない。沖縄はその現実を引き受けているのだ。両紙記者の話から見えてくるのは、私は沖縄についてほとんど何も知らないということだ。2025/06/20
Satoshi
15
ベストセラー作家である百田尚樹に「つぶすべき」とされた沖縄2紙。その2紙の新聞記者を取材することにより、彼らの報道姿勢と沖縄の現実を我々本土の人々に知らしめてくれる良書。事故や犯罪が多発し、爆音でジェット機が飛び立つ基地が島内に点在するのは明らかな負担なのに、基地により成り立つ沖縄というプロパガンダを垂れ流す文化人はただの権力の犬のように見えてしまう。2024/01/11
二人娘の父
6
奇しくも本日の沖縄タイムスでは、ハーバード大教授がひどい論文を発表し「沖縄差別」を公然と行っていることが報じられている。悲観的に見ればこうした事象すら「偏向報道」と断じられるのだろう。この社会には、事実に基づかない誹謗と中傷、偏見と差別が横行する。しかし沖縄に対するそれは次元を超えた異常さを感じる。その根源に何があるのかを「偏向」と見なす側にも取材をし、その根底に迫る著者の姿勢に学びたい。タイムスと新報両紙に共通するのは現在40代のいわば「1995世代」とも言える記者たちの奮闘だ。同世代として共感した。2021/02/27
のら
4
(本土側からは)安保政策として語られることの多い沖縄県の米軍基地問題。沖縄の人々にとっては「人権問題」に他ならないことがよく分かる。人権を訴える沖縄に対して発せられる蔑みの言葉との対比が凄まじい。特に印象深かったのは沖縄は安保の中で生活をしているという部分。基地があるから目的地まで行くのに道を大きく迂回する必要がある。そのためにガソリン代が多くかかると。生活空間の中に基地があるとはそういうことだよなぁ…と目から鱗が落ちた。2021/08/11
ftoku
3
沖縄2紙の新聞記者の目線を追いながら、沖縄の動向を振り返るルポ。いまだにウェブではヘイトの人々がいて辟易するが、この頃に沖縄で目立ってたネトウヨの人たちはその後に仲違いとかしはじめたせいかウェブで見かける機会が最近減った気がする。2022/05/16
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