内容説明
公法の根底にある、近代ヨーロッパ概念である政治システムとデモクラシー。そしてそれらが全面的にギリシャ・ローマの観念体系に負うことを踏まえ、人権概念へと迫る。東大法科大学院選択科目「公法・刑事法の古典的基礎」公法部分の[笑うケースメソッド]。憲法や行政法の授業で見知った有名判例が、目からウロコの姿となって現れる。
目次
まえおき
予備的討論─夜叉ヶ池の龍神、その正体は?
政治制度の構築─背景の色を変えれば違って見える
言論・表現の自由─天上界にもミニマ・フューシカ
政教分離─天地が岐れる時
個人の尊厳─デモクラシーの礎石
精神の自由─文化の極点
生存権─命あっての物種
公共空間内の物的規律─商売も哲学のうち
公共空間の領域展開─市民社会の運命はあなたに懸かっているのですよ
領域上の擬制的公共空間─横一列!
直接的領域規律─環境は公共前公共
デモクラシーの審級─江戸の敵は長崎で討つ
財政─あげたんじゃないよ、あずけただけなんだから
あとがき
索引