ロバート・アルトマン 即興性のパラドクス - ニュー・シネマ時代のスタイル

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ロバート・アルトマン 即興性のパラドクス - ニュー・シネマ時代のスタイル

  • 著者名:小野智恵
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  • 勁草書房(2021/01発売)
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  • ISBN:9784326851911

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内容説明

群像劇で知られる映画監督ロバート・アルトマン。その実験的な表現手法は、いつも「即興」の一語によって受容されてきた。それは真実か? 気づかれなかった古典的ハリウッド映画を覆す巧妙な仕掛けとは? 本書は、1960年代-70年代ニュー・シネマ期のアルトマン作品群に焦点を当て、ハリウッドの内側からなされた芸術的革新を見抜く。

目次

はじめに
図版一覧

序 すべては即興なのか?
 1 繰り返されるクリシェ
 2 ニュー・シネマ、ニュー・ハリウッド、あるいはニュー・ハリウッドという時代
 3 ヒッチコックやウェルズから「何ひとつ学んでこなかった」?
 4 映像作家としてのアルトマンの軌跡

中心性←→「遍」・中心性
第1章 オーヴァーラッピング・ダイアローグからオーヴァーラッピング・ナラティヴへ
    ──『M*A*S*H マッシュ』『カリフォルニア・スプリット』
   『ナッシュビル』
 1 『ナッシュビル』は「つながり」のナラティヴか?
 2 『グランド・ホテル』と『大空港』、そして『ナッシュビル』
 3 ニュー・ハリウッドにおける音の冒険
 4 音声的中心の多元化
 5 重なる会話から重なる物語へ
 6 物語世界の「遍」中心化
 7 共通の目的(地)の消滅
 8 終わらないオーヴァーラッピング・ナラティヴ

明瞭性←→不・明瞭性
第2章 モチヴェーションの曖昧な主人公
──『ビッグ・アメリカン』『ボウイ&キーチ』『ギャンブラー』
   『ロング・グッドバイ』『カリフォルニア・スプリット』
 1 目的に向かって突き進まないように見えるのはなぜか?
 2 距離をおくカメラ
 3 ディープ・フォーカス vs シャロウ・フォーカス
 4 ポスト・フラッシングの効果
 5 マッチしないアイライン
 6 『断絶』の主人公との相違
 7 それは負の側面ではない

深奥性←→反・深奥性
第3章 ズーム・インが無効にする奥行きという錯覚
──『ギャンブラー』
 1 「ズームは四文字語である」?
 2 ドリー・ショットとズーム・ショット
 3 約束事としての「イン」
 4 『ギャンブラー』という修正主義西部劇
 5 パースペクティヴの変化と期待される深さ
 6 『さすらいのカウボーイ』の最終シークェンスとの相違
 7 背景音楽と“&”が物語るふたつの裏切り
 8 独自の表現を生むズーム・ショット

一致性/連続性←→半・一致性/非・連続性
第4章 ポスト・ノワールに迷い込んだ古典的ハリウッド映画
──『ロング・グッドバイ』
 1 「違和感」の要因は「怠慢」にあるのか?
 2 導かないメロディ
 3 隠された顔
 4 信用できないズーム・イン
 5 グレープフルーツ、コーヒー、コーク瓶、そして因果性のない暴力
 6 フーレイ・フォー・ハリウッド

結 インディペンデント・ムーヴメントの父?

あとがき
参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

fritzng4

1
主に70年代の作品を中心としたロバート・アルトマン論。著者の指導教官でもあり参考文献にも数多く挙げられている加藤幹郎の影響が色濃い。具体的な作品としては『ナッシュビル』『ジャックポット』『ギャンブラー』『ロング・グッドバイ』などが詳述されるが、特に第一章の「オーヴァーラッピング・ダイアローグ」に関しての論考は興味深い。映画技術の発展が語りのあり方を広げたことがわかる。2026/02/15

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