地方自治と図書館 - 「知の地域づくり」を地方再生の切り札に

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地方自治と図書館 - 「知の地域づくり」を地方再生の切り札に

  • 著者名:片山善博/糸賀雅児
  • 価格 ¥2,530(本体¥2,300)
  • 勁草書房(2021/01発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 690pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326050178

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内容説明

地方自治において図書館は重要な拠点となりうる。地方自治体の運営を改善することにより、いかに図書館行政を変革できるのか。以前、鳥取県知事、総務大臣として積極的な図書館政策を進めた片山と、図書館政策論を専門とし、全国各地の図書館の実際を知る糸賀による、「地方自治論」と「図書館論」の画期的なコラボレーション!

目次

まえがき[片山善博]

第I部 図書館は民主主義の砦

第一章 知的立国の基盤としての図書館[片山善博]
 1 知的立国とは
 2 知的立国を支える国民、それを育てる図書館
 3 図書館によるビジネス支援
 4 図書館による支援対象の拡大
 5 図書館と民主主義

第二章 図書館のミッションを考える[片山善博]
 1 図書館の置かれた政治状況
 2 分権の「砦」としての県庁図書室の実践
 3 レファレンスを通じて垣間見えたわが国の知的環境
 4 議会の自立と議会図書室
 5 議員は「対抗軸」を持つべし
 6 民主主義の砦としての図書館
 おわりに

第三章 民主主義社会における図書館[糸賀雅児]
 1 地方自治と図書館
 2 図書館は民主主義社会に不可欠な情報提供機関
 3 「情報公開」における図書館の位置づけ

第II部 地方財政と図書館

第四章 講演・図書館と地方自治[片山善博]
 1 住民生活に光をそそぐ交付金
 2 自治体行政の諸相
 3 従来の地方行財政の特徴
 4 自治体行政のバランス回復の試み
 5 図書館行政に光を当てるには

第五章 パネル討論・地方財政と図書館──交付金で図書館整備を
 1 総務省の地域振興、地域活性化に関わる取り組み
 2 ヒューマンキャピタルとソーシャルキャピタル
 3 地方交付税─福岡県小郡市を例に
 4 特別交付税の仕組み
 5 知の地域づくり
 6 自治体予算と図書館
 7 知の基本的財産の拠点──図書館と予算

第六章 光交付金が図書館にもたらしたもの[糸賀雅児]
 1 光交付金の概要
 2 光交付金と図書館予算の比較
 3 光交付金の図書館における活用実績
 4 光交付金が図書館にもたらしたもの

第III部 地域の課題解決を支援する図書館と司書

第七章 まちづくりを支える図書館[糸賀雅児]
 1 図書館の「集客力」と「認知度」
 2 中心市街地を活性化した図書館
 3 まちづくりへの図書館の効果
 4 まちづくりを支える図書館の特徴

第八章 「地域の情報拠点」としての課題解決型図書館[糸賀雅児]
 1 新しい図書館モデルの必要性
 2 『市民の図書館』が遺したもの
 3 司書の働きが見えてくるか?
 4 図書館発展の構造を持続できるか?
 5 地域の情報拠点への進化に向けて
 6 「地域の情報拠点」としての課題解決型図書館

第九章 地方自治を担う図書館専門職のあり方[糸賀雅児]
 1 行動する司書
 2 問題の背景─図書館労働市場の変化とキャリアパスの必要性
 3 司書のキャリアデザインの必要性
 4 キャリアパスとしての認定司書制度──「節目」でキャリアをデザインする
 5 イギリスと日本の図書館専門職認定制度
 6 司書の社会的責任

第一〇章 「地方創生」の視点から見た図書館と司書[片山善博]
 1 「地方創生」とその課題
 2 司書の雇用を棄損する図書館の指定管理
 3 「地域の知の拠点」と認定司書への期待

第IV部 地方自治と図書館政策

終章 対談・地方自治と図書館政策[片山善博・糸賀雅児]

あとがき[糸賀雅児]
索引
初出一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

50
本来の生涯学習とは、決して高齢者のみを対象にした施策ではなく、老若男女を問わず、仕事をしている人もしていない人も含め、広く万人が対象である(ⅱ頁)。そもそも何ゆえに地方自治法は全ての地方議会に図書館の設置を命じているのだろうか。それはこの設置を義務付けている条項の場所を見てみると理解が容易である。100条はつとに有名(21頁~)。公共図書館と学校図書館。また、図書館と地域の書店との交流も重要という(68頁)というのは理解できる。交流や消費の場である、読書会の活性化もお願い致したい。2017/06/27

山口透析鉄

31
これも市の図書館本。知的立国には生涯教育等も当然、重要ですし、情報の格差解消や真っ当な行政・政治を作る上で図書館が果たすべき役割、地方自治体での具体的な成功事例とダメな例(武雄市のCCC図書館は東京新聞にも出ていました)が分かりやすく出ています。報道機関や地方自治体が中央官庁の都合の良い情報等に振り回されないためにも情報のインフラ装置として地域の公共図書館が果たすべき役割、本来は多くて、司書さんの処遇等もやはり改善が必要ですが、鳥取県知事としてもそこは成し遂げきれなかったようです。日本創生会議が出した↓↓2024/10/29

ruki5894

14
『図書館本来の機能は自立支援である』(p30)自治体は図書館を地域の知の拠点として育てていくことをやめ、いっそ数字のみで来館者数と貸出冊数、登録者数にのみ注意が向けられている。だからといって働く我々が絶望してしまっては元も子もない。今の時代にできる事を少しずつでも動かして行く。歩みを止めずに。仕事の資料として呼んだが、為になり興味深いものだった。2017/11/15

スイ

13
「民主主義社会を維持し、その中で主権者として生きていくためには、市民として「自立」することが必要だ。そのためにはバランスの取れた客観的な情報環境が整えられていなければならず、その機能を果たすのが図書館である。」 図書館だけでなく、地方自治とは何か、民主主義とそこに主体的に参加するとはどういうことかを考えさせられる本だった。 とても読みやすく、主張も追いやすい。 読み返していきたい。2018/11/23

bonbon99

10
図書館とそれを支える人たち、利用者・社会状況のことを行政の立場の片山さんと学術的な立場の糸賀さんの2人で論じあっているほんです。内容は読みやすく、しかも図書館の起きている問題がこれ一冊でわかるのではと思うぐらい中身があります。図書館を利用する人には読んでほしいし、行政に携わる人にも、ぜひ読んでほしい一冊です。2019/08/12

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