内容説明
生物学の知見に基づき哲学の問いに挑み、生物学に関する哲学的問題を論じる「生物学の哲学」。ダーウィン進化論は何が新しく、そして私たちに何をもたらした? 利他性は進化論で説明できる? 進化は漸進的か断続的か? 発生も進化する? 種に分類できない生物もいる? 基礎から最新の話題まで明快な思考で解き明かす、決定版入門書。
目次
[序 章] 生物学の哲学への誘い
生物学の哲学とは何か
進化論への関心
生物学の哲学の展開
本書の概要
[第1章] ダーウィン進化論から進化の総合説へ
1.1 ダーウィン進化論
1.2 ダーウィニズムの失墜
1.3 集団遺伝学の誕生
1.4 進化の総合説
[第2章] 集団的思考と進化論的世界観
2.1 集団的思考
2.2 進化論的世界観
[第3章] 利他性
3.1 利他性とは何か
3.2 血縁選択説
3.3 形質群選択説
3.4 選択のレベル論争
[第4章] 大進化
4.1 大進化の理論
4.2 断続平衡説に対する評価と批判
4.3 生層序学における化石記録の見方
4.4 断続平衡説と進化の総合説
[第5章] 発生
5.1 発生学と進化の総合説の関係
5.2 ホメオボックスの発見から進化発生学へ
5.3 進化発生学がもたらした変化
[第6章] 種
6.1 種と分類
6.2 種タクソンの存在論的身分
6.3 種カテゴリーに本質はあるのか
6.4 微生物と本質主義
参考文献
あとがき
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tsukasa Fukunaga
5
進化論を中心とした生物学の哲学の入門書。生物学的な事象の解説をしたあとに、それにまつわる哲学的な問題点をあげるという形になっているため、特に知識がない人でも読む事ができる。一方、進化論をきちんと勉強した事がある人にとっては既知の内容が多く、哲学的な考察に多くのページがそれほど割かれているわけではないので、やや肩透かし感を覚えるかもしれない。個人的には、水平伝播などを考慮した上での、微生物の種概念についての考察は(専門に近い事もあり)興味深かった。2016/09/12
red herring
4
物化選択のワイにはバチクソむずい。生物学の歴史やパラダイムの話がメイン。ダーウィン進化学か反ダーウィン進化学か、みたいな。疲れた。2020/11/11
gachin
3
要点をスマートに解説していて有難い。読みやすい。生物学者を哲学に誘ってる本という印象。あえて要望を言えば、初学者向けの教科書であることを目指すなら、哲学的内容(達成)だけではなく、哲学研究を行う上での手法•方法論も教えて欲しかった。そういうのがあるのかわからないけど。/ 形質群淘汰が面白い。発生過程で同じ現象がありそうな気がする。2020/10/07
田蛙澄
3
進化論や発生学、種の定義、微生物学などを生物学の進展を進化論を中心に描きながらそこに含まれる哲学的問題を導くという内容だったけど、正直決定論と非決定論、観察の理論不可性、種の本質主義あたりにしか哲学的要素を感じられなくて、進化論史の紹介が大半という印象だった。種の定義の実在論以外は他の科学哲学でも取り扱われているような内容だし、実在論と反実在論も理論の実在性と言う風に見れば、目新しい視点でもなく、生物学の哲学の固有の問題と言う感じがしなかった。でもまあ面白く読めたのでそれなりにはよかった。2017/07/09
6ちゃん
2
タイトルが自分には意味不明過ぎて思わず手に取った。進化論が中心なのだが、生物学の中枢を批判的に考察する内容は結構手強く、完読はできず。ただ、種の扱いなど生物学の根本概念については未だに論争喧しい点は意外だった。確かに種は実在や関係性などを問う点は多分あるわけで、哲学として扱うに十分というところはある。微生物やウィルスの行動を考えると頭が痛いなーという点は納得。未だに新発見でびっくりすること多いしね。生物界隈についての知識を深めて再挑戦したいところ。2016/09/27
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