里山里海 - 生きるための知恵と作法、循環型の暮らし

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里山里海 - 生きるための知恵と作法、循環型の暮らし

  • 著者名:養父志乃夫
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 勁草書房(2021/01発売)
  • ポイント 28pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326653997

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内容説明

戦後の経済成長は、市民生活への底知れない脅威である核家族や自殺、児童虐待や孤独死を生み出し、中山間地域を過疎化させ集落を崩壊させてきた。しかし里地里山には、生きるための知恵と作法、自然とのつきあい方、そして暮らしの絆を増幅させる皆の思い等々、暮らしのおおもとが息づいている。本書は、今の日本になぜ里山が不可欠なのか、その本質を伝える。

目次

はじめに
本書を読まれるに際して

第一章 里山里海の姿
 第一節 土地の使い方
 第二節 資源保続と分かちあい
 第三節 暮らしと里山里海の変貌
 第四節 一極集中と過疎化

第二章 共同体の絆で成り立つ暮らし
 第一節 家族・集落のちから
 第二節 どのように暮らしの礎を守ったのか
 第三節 子供や若い男女を育てた集落
 第四節 貧富の差に折り合いをつける暮らし

第三章 食糧(食料)の自給と循環
 第一節 稲作
 第二節 畑作
 第三節 保存食材
 第四節 家畜
 第五節 肥料の再生利用

第四章 半栽培される食材や薬草・半飼育される魚介や野生鳥獣
 第一節 里地
 第二節 里山
 第三節 里川・溜池・里湖
 第四節 里海

第五章 幾度となく使い再生させ続ける暮らしの素材
 第一節 エネルギーの自給と循環
 第二節 水
 第三節 住まいや生活雑貨

第六章 知恵と絆が蘇らせる里山里海
 第一節 土手・畦・林床・草刈り場・牧野・燃料山
 第二節 生きていくために編み出された「みなべ・田辺の梅づくり」
 第三節 絆と知恵で里山の資源を最大限に活かす観光地

おわりに
用語解説
引用文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

43
集落で貧富の差を乗り越えるため、集落では不平等を認めあい、不平等な富を再配分させる仕組みを作り出してきた。落ち枝や流木、枯れ木は無生物で、燃料不足の家は、他人の山でも採ることができた(77頁)。里海とは、陸上の生態系と人の暮らしとが一体となり栄養分の循環を促す沿岸海域(157頁)。1965年頃までは、群馬か長野県が梅の栽培面積と収穫量は日本1で、和歌山県は2か3位だったという(219頁)。今や、みなべ・田辺地域における梅生産の背景とみなのちからによる地域継承の流れが構築され、日本1を誇る2016/12/27

CaWO4

1
明治時代~現在の、里での暮らしについてまとめてある。「○○県○○町××集落のS(昭和二〇年生)によれば…」とか「草生地は反当り100~150貫の草を生産し…」という風に、聞き取り調査や統計に基づいた記述が続く。とはいっても無味乾燥ではなく、非専門家でも楽しめる。本文で太字の語は、巻末に説明があり親切。生活の知恵だけではなく、作法にもスポットがあてられており興味深い。いわゆる「田舎の風習」は、一定面積から得られる資源で自給自足を持続させるためにあるんだなあと思った。南高梅と地域経済の話が面白かった。2020/03/28

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