内容説明
小説だからこそ書けた歴史の真実。
9・11同時多発テロ、リーマン・ショックほか、世界の激動のたびに、マネーは大暴落した。だが、その裏では事前にドルを売り抜き、有り余る資金を懐にした一部の投資家がいた。一体どうして。
いま再び金融マーケットに異変が起きている――調査に乗り出した英国情報部員スティーブンは、国境を越える資本主義の源流に、「諜報の天才」と呼ばれた戦前の外交官・杉原千畝の影を見た。ベストセラー『ウルトラ・ダラー』続編。
解説:佐藤優氏(作家)
〈ジャーナリストや政府の分析専門家でも、後知恵で、自分の分析は正しかったと言い張る人がいる。そういう人たちは、相矛盾する分析ペーパーやツイッターでの発言をし、事件が起きてから、過去に自分が書いたもののうち正しかった内容をつなぎあわせて事態を正確に予測していたと言い張る。(中略)こういう手に引っかからないようにするためにも『スギハラ・サバイバル』でほんもののインテリジェンスに触れることが重要だ〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
87
手嶋さんの「ウルトラ・ダラー」に続くインテリジェンス小説です。今回もBBC特派員のスティーブンが出てきますが脇役的な存在です。ヨーロッパでの第二次世界大戦中に杉原千畝が必死にユダヤ人向けのパスポートを発行して日本経由で世界に散らばったユダヤ人と日本で知り合った少年たちとのその後の活躍が描かれています。内容的には戦後の大きな世界経済をめぐる事件の裏には・・。ということでのインテリジェンスの重要性があったということです。また手嶋さんのあとがきや佐藤優さんの解説で杉原の再評価がほんの最近であったことを知りました2023/06/10
99trough99
30
タイトルから、てっきり6,000名ものユダヤ人の命を救った外交官杉原千畝について書かれたノンフィクションと思いきや、杉原の発行した査証でドイツ・ソ連の手から逃れたアンドレイとソフィーが神戸で雷児と出会ってはぐぐんだ友情、続いて(国外脱出時に駆使したであろう)インテリジェンスを駆使し、戦後の世界で世界市場を席巻する戦いを繰り広げる壮大なフィクションだった。とはいえ、あとがきに手嶋さんも書いておられるように、やはりモデルとなる人物はいたようで、戦後のユダヤ人の懸命な生き様が随所にほとばしる感動の良作。2023/03/19
a*u*a*i*n34
11
取っ付きにくいと思いながら読んでいたのですが後から続編であることを知りました。話としては独立しているのでストーリーは楽しめましたが。杉原千畝によって生き延びたユダヤ人たちの暗躍をそれって事実ではと思わせる程のディテールで読ませます。2023/03/29
どくたや又右衛門
2
2010年にはスギハラダラーというタイトルだったようだ。わしの読んだ小学館文庫ではスギハラサバイバルと改題された。ポーランドから神戸に亡命したユダヤ人少年アンドレイ、神戸で出会った孤児松山、美少女ソフィー。時空を超えて運命は彼ら三人をどう変えるか。英国情報部員スティーブンが再び登場し、世界を読み解く。スリリングで、かつ、妙に泣ける。 2022/11/10
こうきち
1
KindleUnlimitedで読了。前作より面白かった2021/04/13
-
- 電子書籍
- 愛するがゆえの罰【分冊】 12巻 ハー…
-
- 電子書籍
- 令嬢と傲慢なプロポーズ【分冊】 7巻 …
-
- 電子書籍
- コンパイラ ―作りながら学ぶ―
-
- 電子書籍
- なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか
-
- 電子書籍
- お気に召すまま(1)