小学館文庫<br> 荒野の古本屋

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小学館文庫
荒野の古本屋

  • 著者名:森岡督行【著】
  • 価格 ¥616(本体¥560)
  • 小学館(2021/01発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094068610

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内容説明

「一冊の本だけしか売らない書店」誕生前夜。

ベストセラーとして話題を呼んだ単行本がついに文庫化!前代未聞の「一冊の本だけを売る書店」として、今や国内はもとより海外からも注目を集める銀座「森岡書店」。その人気書店誕生前夜の物語。大学卒業後、本と散歩に明け暮れたモラトリアム期、神保町の老舗古書店で日々勤しんだ修業時代、その後、茅場町というビジネス街で古書店を成功させるまでをリリカルに描く。「店内にはシューベルトのニ単調ソナタがブツ、ブツという音とともに鳴り響いていた。たしかにこちらもあまりに牧歌的に長すぎる。LPレコードのかなたのピアニストも、二律背反のなかでもがいているのだろうか」「私のようなものがこの時期に独立することは、荒海に飛び込んでいくような行為ではないか。独立はとんだ落とし穴なのではないか」「見渡すかぎりの荒れ地。風はそのあいだを土煙を巻いて、侘びしく吹き抜けた。住所はさしずめ東京中央区無番地といったところだろう。私はそこに古本屋を開いてしまった」(本文より)。本を愛する人、書店、ブックカフェを開いてみたい人、書店に関わる人すべて必読の一冊。解説はエッセイストの酒井順子さん。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジュール リブレ

74
銀座のハズレの古風なビルの一室に小さな店を構える森岡書店。本を一種類だけ売る店として話題になった。その森岡氏の人生をなぞった一冊。人との出会い、街歩きの中での出会い。そして、もちろん本との出会い。想像しなかった方向に進む人生。数々の幸せな出会いに感謝。2021/04/03

佐島楓

58
ほかの方々もおっしゃっているけれど、一冊の本だけ売る古本屋というコンセプトにたどり着いたのはなぜなのかが一番知りたかった。お若い頃の本のみ読んで気ままに生きていきたいというスタイルから、古書店に勤め独立し、究極的な選択に至ったのはなぜなのか。面白いエピソードがたくさんあり、出会いもあるのだから、続編があるとしたらぜひそこを語っていただきたい。2021/02/10

Roko

32
神保町の一誠堂書店の求人広告を見たところから彼の運命が変わったのです。ここで働き、学んだことが、その後の彼の人生に大きく影響したのは間違いありません。そして、茅場町に書店を開こうと思ったあたりから、これまでにない力が湧いてきたのは、何故だったのかしら?プラハとパリへいきなり仕入れに行くなんて、こういう大胆さがあったからこそ、個性的な書店が開けたのでしょうね。少しずつお仕事の形は変わってきたけれど、面白い本を紹介することが書店の使命と考えると、森岡さんのお仕事の幅は更に広がっていきそうですね。2022/12/28

シキモリ

25
一冊の本にまつわる展示会を催す体験型の書店を営む著者による自伝。今で言うモラトリアム期を経て、神保町の老舗古書店へ就職。そこから独立開業に至るまでの半生を振り返る形式だが、書籍化に際して内容を削りに削った顛末が見て取れるほど、何とも奥行きに欠ける仕上がり。リリカルと言えば聞こえは良いが、こなれていない朴訥な文章からは著者の人物像が今ひとつ浮かび上がってこなかった。ギャラリー開設後の随筆は殊更書店のリピーターに向けられたきらいがあり、一見さんには尚更取っ付きにくい。最初から最後まで相性の合わない読書でした。2021/04/07

緋莢

19
銀座で一冊の本を売る「森岡書店」を経営する著者が、そこに至るまでの経緯を書いた本。一冊の本を売るというのは<正確には、一種類の本から派生する展覧会を 行いながら、その本を販売する書店>(文庫版のまえがきより)とのこと。二十二歳頃は、中野に住み、アルバイトをしながら、神保町に通い、やがて、一誠堂の求人広告を見かけ、入社(続く2022/01/10

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