同意

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同意

  • ISBN:9784120053535

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内容説明

14歳の少女は、36歳も年上の有名作家になぜ「同意」したのか?
そして二人の関係を蝕む「毒」とは何か?
デュラス『愛人』にも負けない、燃え上がるような真実の力に圧倒される。
フランス社会を震撼させたこの衝撃を体験せよ! 
――野崎歓

名簿に名前は載っているのにいつも不在の幽霊会員のような父親。読書に対する際立った嗜好。性に対するかなりの早熟さ。そしてとりわけ、見守られたいという途方もない欲求。ここにすべての条件が整った。――本書より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

45
作家Gにも、少女Vの母親にも虫唾が走る。このような性犯罪者が社会的に抹殺されるどころか、児童を食い物にした作品を発表し続けてきた厚顔。半世紀前とはいえ、未成年者と成人の性交を処罰対象から除外することに名だたる知識人たちが賛同署名をした事実。見識を疑う。2024/03/21

星落秋風五丈原

35
10代女性が50代男性に恋をして巧みに大人の世界に足を踏み入れていく。小説だったらロマンティックだったろうに現実であればやはり大人にいいように翻弄されたまだ子供という印象。初恋って大事なのになぁ。2020/12/15

松本直哉

18
ロリータが生き延びてHHの手記を読んだら、彼女はそこに誠実な悔悟を見ただろうか。14歳のときに3倍以上年上の小児性愛者の有名作家に犯された著者が、自らを題材に使われたこの作家の著書を読んで見出したのは、歪曲と捏造ばかりの不誠実な自己正当化だった。どのような言葉も所詮は虚構で、小児性愛という取り返しがつかない罪を贖うには足りない。なるほど彼女は同意したが、こういう成り行きとはじめからわかっていたら同意しただろうか。そもそも、輝かしい言葉の力と端正な容貌で誘惑してくる雲の上の存在に、どうして抵抗できただろう。2021/11/02

uniemo

18
50歳の有名な作家と14歳の少女が出会い彼女はその当時は彼から真実に愛されていたと感じ同意していると思い性的関係を持ちます。破局後その関係性の異常さに気づくも自分も同意していたという事実に自分を責め、作家は文学として繰り返し彼女との関係を書き続けます。保護されるべき年齢の少女に過失があるわけないのに芸術に昇華すれば犯罪行為も許容される時代があったことに嫌悪感を感じますが、作品は時代を映す鏡であるので発禁や検閲に反対している著者に強さを感じました。2021/02/18

くさてる

17
題名の「同意」の意味が重い。当時50代の有名作家と14歳で性的関係にあったことを告白した女性の手記。社会的にも寛容な空気があり、有名作家で母の友人でもある男が、14歳の少女を恋の形で手に入れた、という絶望的な事実。生々しく生理的な嫌悪感を感じずにはいられない箇所はあるものの(繰り返される作家の詭弁!)、無駄にスキャンダル的な騒々しさはない。わたしはむしろ、静かな諦めや苦しみと哀しみの反芻を感じた。この一冊を書くことは、作家にからめとられようとした彼女の物語を彼女自身が取り戻すために必要だったのだろう。2021/02/07

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