内容説明
神秘と技術と才能が生まれる場所、諏訪。
――多くの仕事や人が、どうしてこの地から生まれたのか?
長野県の諏訪は、諏訪湖を中心に八ヶ岳や霧ヶ峰も含む広大な地域。
諏訪湖は中央構造線とフォッサマグナが交わるところ。
まわりには縄文の時代から人が暮らし、諏訪信仰がいまも息づく。
江戸時代の繰越汐による新田開発、近代に入ると片倉製糸が栄華を極め、その後、東洋のスイスと言われるほど、精密機械の会社が数多く興った。
セイコーエプソン、ハリウッド化粧品、ヨドバシカメラ、すかいらーく、ポテトチップスの湖池屋、岩波茂雄、島木赤彦、新田次郎、武井武雄、伊東豊雄…… 。
多くの仕事や人は、どのように生まれたのだろうか。
ただならぬ場所、諏訪の地力を、丹念な取材で掘り起こす歴史ノンフィクション。
【目次】
第一章 シルクエンペラーと東洋のスイス――近代ものづくり編
第二章 ゴタたちが編んだ出版ネットワーク――近代人づくり編
第三章 〝空〟なる諏訪湖の求心力――土地となりわい編
第四章 人と風土が織りなす地平――科学と風土編
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
47
諏訪。訪れたことがある。諏訪で想い出すのは、御柱と鎌田實さん(諏訪中央病院)。御柱自体は、上社だったか観たことがあって、改めてその大きさに驚いた。鎌田先生が携わっている諏訪中央病院は、地域医療の先進事例であると思う。そんな諏訪からは、傑物がたくさん誕生していて、それが風土からくるものでもあるように感じた。身分に拘らず、学ぶ風土が昔から脈々と続いているのだ。確かに、訪れた時に、ここに書かれている名の知れた企業がたくさんあって、驚いた記憶がある。それも、歴史と風土のなせる技なのだ。2021/01/18
こばまり
43
生を享け、多くの夏を過ごした諏訪は私にとって大切な場所だが、嫁ぐまでを過ごした母、今も住まう叔母、進学と共に去った従姉妹の、彼の地に対する思いは複雑で、筆者と同じくただただ憧憬を抱く私は、所詮よそ者なのだと少し寂しくもなった。2023/10/22
tamami
43
再びの『諏訪式。』。前回の感想では、諏訪式繰糸機を発明した武居代次郎に焦点を当てたけれど、今回は少し視点を変えて。著者は第2章で諏訪の生んだ出版人を取り上げ、第4章では諏訪の風土と科学に言及している。本書ではそれぞれが独立の事象として取り上げれているが、諏訪の風土、製糸による資本蓄積、教育の普及とは実は根っこの所では繋がり合っているのではないかと言うのが筆者の考えである。例えば、最近は余り聞かれなくなったけれども、以前は「教育県長野」と呼ばれることが多かった。市町村単位で学校を設立したり、校舎を作っては→2021/09/25
tamami
41
戦前の日本の発展に大きな役割を果たした諏訪の製糸業。その起爆剤となったのが、岡谷生まれの武居代次郎が発明した「諏訪式」繰糸機である。武居は舶来で高価であった外国式繰糸機を改良、約30分の1という驚くべき価格で提供し、民間人も製糸経営者となれる道を切り開いた。本書は、武居代次郎に代表される諏訪人と、諏訪の風土が織りなす産業・文化・土地柄に焦点を当て、丹念な取材でその過去と現在を描き出す。高地にあって寒冷な一山間地が、時に国を動かす力を持つに至った経緯には、我が国が進むべき道への多くのヒントが隠されている。2020/10/09
kawa
39
映画製作を通じて縁のあった諏訪地方について、民俗学や地元学に知見を持つ筆者による諏訪案内。私自身、峠ひとつ越えたところに住んでいるので、単なる観光案内とは異なり立体感のある奥深い内容に「へえぇ~」と感心しきり。司馬先生の「街道をゆく」の「諏訪編」小倉ヴァージョンの趣きで興味深く読了(前半は、詰めの甘くて気になるところもあるが…)。これからの著者の作家活動の展開にも注目したいところ。 2021/01/13
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