内容説明
大事な案件は「脳内有識者会議」で決定、交代人格曰く「主人格はポンコツ管理人」……年齢も性別もバラバラ、12人の交代人格をもつ解離性同一性障害の当事者が描いたあたたかなリアル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
82
一人の体に13人の人たちが同居しているharuさん。脳内会議でも色々な人格の私はいるだろう。でもharuさんの場合は時間枠は一緒でも、自分の中にいる他の人達の記憶や体験にアクセスできないのだ。防衛機能・自分の可能性として生まれただろう人たちは皆、思い思いの人生を生きながらもharuさんの事を誰よりも心配して理解しようとしている。同時に「人は他者からの視線や印象の押し付けによって、自分がなれる筈の人格や可能性を潰して一つになっているだけではないか」とも考えてしまう。2020/09/14
naginoha
53
いやー非常に興味深い話だった。 haru氏の頭の中にはシェアハウスのような空間があり、個性的な住人がharu氏を助け、自分の趣味を楽しみながら一緒に生きてる。読了して一番に思ったのが「何だか楽しそうじゃん」ということ。 今は解離性同一性障害(DID)と呼ぶが、一昔前は二重人格と言い、謎めいた存在で怖いイメージだったな。そんな中ビリーミリガンの話が出て犯罪のイメージが付きより怖く思っていました。読了後の今なら身近にDIDの人が現れても多分普通に接することができる。もっと知りたいと思う。 ↓コメントに続く2020/12/24
さっちゃん
48
haruさんが生きていくためには、こうして何人もの力を借りる必要があったのだろう。突然、目の前の人が人格交替したらめちゃくちゃびっくりするだろうけど、それはこの障害のことを知らなさすぎるからだと思う。少しずつ社会に認知されて受け入れられていくといいなぁと思う。2020/09/25
のり
37
多重人格で、性同一性障害で、ADHDのHARUさんが、日々をどんな風に生きているか、自身の中の13人の人格が入れ替わり立ち替わり語ることで明らかにしてくれる本。脳内にコックピットがあるイメージの図もあって、人格の入れ替わりが何をきっかけにどんな風に起こるのか、その仕組みが何となくわかった。ある意味器用で賢い人なのかも。人間の多様性に驚かされる。2020/08/22
k sato
34
主人格・haruさんの文章を読んで、心から安らいでいるような「楽」は感じられなかった。解離性同一性障害と診断されているharuさん。この本は、haruさん以外の人格が主な筆者だ。12人の交代人格と生きるとは、どういう感覚なのかを垣間見ることができた。脳内には、それぞれが集まる共同スペースと個別の空間があり、互いの記憶を共有している。保育士として働きながら社会福祉士の取得を目指すharuさん。解離性同一性障害を特別視せず、否定も肯定もしない接し方こそが優しさなのだと、この本は静かに教えてくれる。2026/07/20




