内容説明
対人関係精神分析とは、サリヴァン、トンプソン、フロム、フロム=ライヒマンの4人によって創始された精神分析の一つである。本書は、ニューヨークに留学し、対人関係精神分析のメッカであるウィリアム・アランソン・ホワイト研究所で訓練を受けて精神分析家の資格をとった著者が、正統派フロイディアンとの違いを鮮明にしつつ、対人関係精神分析とはどういうものかを人間味あふれる筆致で綴った魅力的な心理臨床の一冊である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くろねこ
4
「解離とエナクトメント」を読んで感じた、手触りの違いのようなものを、少し明確にしたくて手にとり。どうしてもなるものだから、姿勢として目指すべきものを示していく立場と、どうしてもなるものだから、そのことの意義を考えていこうという立場の違いは理解しやすい。しかし、説明している関わり方については、フロィデアンの関わりより、対人関係精神分析学派の関わりとして説明されていることの方が実感と合う気がしてしまう。なのに、実践の話を読んでいくと、手触りは全く違う。ここがすごく不思議な感じがしました。2021/08/14