内容説明
人は死を前に、何を見、何を思い、何を考えるのか?
死は誰にも平等に訪れるものです。
それゆえ、古来、人は死を恐れ、「死を思う」ことで自らの存在を見つめてきました。
現代においても未知の感染症の拡大で、死の恐怖を身近に感じる事態が起こります。
本書は半世紀以上前に、死を迎えつつある人の心の動きを、二百人におよぶ患者の聞き取りで解明しようとしたものです。
自分や周囲の人の死をどう受け容れるか。
死について考えるとき、道しるべとなる一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
27
○死を正視できるようにすることは人生を送っていくうえでの重要なファクターだと考えます。しかし私には難しい課題でもあります。ロスさんの著作は死に対して冷静になれない自分にとり有益な時間を与えてくれます。2025/04/15
ホシ
26
ターミナルケアの礎を築き「死の5段階説」を提唱して現代精神医学の発展に多大な貢献を果たしたキューブラー・ロスの代表作。「多くの患者が恐れているものは死そのものではなく、死の過程に付随する絶望感・孤独感・無力感である」という女史の慧眼さに唸りました。仏教かぶれの私は常々「死は怖くない」と思ってはいましたが、自分で空威張りしているような気持ちもありました。私の感情はキューブラー・ロスが指摘するものなのでしょうね。当時の医療の様子も分かって興味深った。医療従事者には「聖書」とも言われる本。必読の一冊です。2020/08/22
コニコ@共楽
22
トルストイの『イワン・イリイチの死』は、この『死の瞬間』の本の冒頭と同じように始まる。「自分にかぎって死ぬことは絶対にありえない」、「死んだのは隣のやつで、おれじゃなかった」と。しかし「死は絶対に皆にあり」しかも、その過程が“以前よりもより孤独に、より機械的に、より非人間的になった”としたら、どう死と向き合うべきか?考えさせられる。そのヒントは末期患者の言葉にあると綴ったのがこの本。末期患者の多くが自らすすんで自分の体験を語る姿は印象的だ。患者だけでなく、残される家族の気持ちを思う大事さも説いている。2026/02/07
きゃれら
21
コロナ禍で死生観を考えることが多くなり、年齢も上がってきて向き合わないといけないと意識して手に取った本。原著が出てから50年以上が経過しているのに、昨日あった話のように活き活きとした、というと違和感あるが、臨死患者たちの言葉があった。誰でも絶対一度は(一度きりだけど)体験する死について考えるなら必読本と思う。アメリカのインタビューであり、患者の多くがキリスト教が支えになっていると口にするが、巻末のまとめでは信仰のある無しをそんなに重視していないのが印象に残る。2022/06/29
Kano Ts
12
アルトゥール・ガワンデさんの「死すべき定め」で肉体についての死に向かう過程が描かれていたので、次は精神的に死に向かう過程を知りたくて読んだ本。本質的に重なる部分が大きく感じた。死は死ぬ過程の最後の一瞬に過ぎないのか。隠さずに死と向き合うことが重要だし、自分が看取る側であれば相手がどういった状況であるか知っておいてその状況にあった付き添い方をすれば良い。その助けにもなる本だった。あと欧米で死を扱う本で感じるのは信仰が果たしている役割の大きさだ。こればっかりは実際に現地で触れてみないと分からないんだろうな。2024/05/04




