内容説明
食事をしても子どもと会話しても本を読んでも映画を観ても旅に出かけても、すべて翻訳につながってしまう。翻訳家・鴻巣友季子が、その修業時代から今に至るまでを赤裸々かつ不思議に語ったエッセイ集。五感のすべてが、翻訳というフィルターを通して見える世界は、こんなにも深く奇妙でこんなにも楽しい。エッセイ集「やみくも」を大幅改編+増補した決定版。
目次
1 言葉が気になる
顔見知り friend & acquaintance
ムズムズする訳 mechanism & apparatus
女が体温を計るとき period
訳せない単位 Kas & Ofr
ジェーン・オースティンの料理法 pride
ぼくを探しに It was missing a piece.
なにもないことの恵み gift of nothing
スカーレットと江戸ことば Tomorrow is another day.
父の江戸弁 したたき
気っ風のいい略語 ジョンマクとテリマク
我的豆莢 iPod
アンチ・バベルの図書館 long tail & long tale
2 胃袋を満たしてから
臨月のシフォンケーキ
大蛸で世界をめぐる
暴力弁当
迷宮の味
雨の日のトリュフ
味噌の解禁日
巻きたくなってきた
酒は深くて容赦がない
3 足腰を鍛える
翻訳家への長い長い序走
フラヌーズになりそこねた夜
スキーをする私
カヌーイストの夏
愛しの下高井戸シネマ
父が教えてくれたこと
単純力と読書
この本を丸ごと訳したい
ジュディ・アボットの愛読書
4 道草を食う
イパネマの娘
猫を借りる
空から見る世界
レムールの午後
ヤマダさんの煙草
間違い電話
ジンジャブッカク
おひとりさまごっこ
ボレロ夢想
カブミ
横暴な偶然
テセウスの指輪
老婆 ボードレールに
翻訳家、穴に落ちる
5 さあ仕事をしよう
翻訳者気質
翻訳の魔宮へ
新訳は名作の証し 愛ちゃんとアリスのあいだ
他者のことばを生きる
たがいの物語を聴く
六万時間の孤独
「つかまれる」感覚
チャドリの奥の黒い双眸
仕事場への遠い道のり
ピアノは鼻で弾く
真夜中のしめきり
雨に想う人
文庫版あとがき
解説 「ヴー」から「ぬか漬け」まで 穂村 弘
感想・レビュー
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mizuki
しーふぉ
Nobu A
壱萬弐仟縁
練りようかん