ちくま文庫<br> 全身翻訳家

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ちくま文庫
全身翻訳家

  • 著者名:鴻巣友季子【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 筑摩書房(2021/01発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480428493

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内容説明

食事をしても子どもと会話しても本を読んでも映画を観ても旅に出かけても、すべて翻訳につながってしまう。翻訳家・鴻巣友季子が、その修業時代から今に至るまでを赤裸々かつ不思議に語ったエッセイ集。五感のすべてが、翻訳というフィルターを通して見える世界は、こんなにも深く奇妙でこんなにも楽しい。エッセイ集「やみくも」を大幅改編+増補した決定版。

目次

1 言葉が気になる
顔見知り friend &amp; acquaintance
ムズムズする訳 mechanism &amp; apparatus
女が体温を計るとき period
訳せない単位 Kas &amp; Ofr
ジェーン・オースティンの料理法 pride
ぼくを探しに It was missing a piece.
なにもないことの恵み gift of nothing
スカーレットと江戸ことば Tomorrow is another day.
父の江戸弁 したたき
気っ風のいい略語 ジョンマクとテリマク
我的豆莢 iPod
アンチ・バベルの図書館 long tail &amp; long tale
2 胃袋を満たしてから
臨月のシフォンケーキ
大蛸で世界をめぐる
暴力弁当
迷宮の味
雨の日のトリュフ
味噌の解禁日
巻きたくなってきた
酒は深くて容赦がない
3 足腰を鍛える
翻訳家への長い長い序走
フラヌーズになりそこねた夜
スキーをする私
カヌーイストの夏
愛しの下高井戸シネマ
父が教えてくれたこと
単純力と読書
この本を丸ごと訳したい
ジュディ・アボットの愛読書
4 道草を食う
イパネマの娘
猫を借りる
空から見る世界
レムールの午後
ヤマダさんの煙草
間違い電話
ジンジャブッカク
おひとりさまごっこ
ボレロ夢想
カブミ
横暴な偶然
テセウスの指輪
老婆 ボードレールに
翻訳家、穴に落ちる
5 さあ仕事をしよう
翻訳者気質
翻訳の魔宮へ
新訳は名作の証し 愛ちゃんとアリスのあいだ
他者のことばを生きる
たがいの物語を聴く
六万時間の孤独
「つかまれる」感覚
チャドリの奥の黒い双眸
仕事場への遠い道のり
ピアノは鼻で弾く
真夜中のしめきり
雨に想う人
文庫版あとがき
解説 「ヴー」から「ぬか漬け」まで 穂村 弘

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mizuki

44
翻訳家という仕事を独学で学んだというお話にはびっくりしました!日々の暮らしの中で、これは英語で何と言うんだろうかと、ふと考えてしまうあたりはやはり翻訳家だからなのだろう。くすくす笑える食のエピーソドに鴻巣さんのユーモアを感じ、お仕事のお話では、著者の英語への熱い想いを知ることができました(*´◡`*) 解説の穂村弘さんも良かったです。また『ヴー』のお話が読めたのも笑えました(。 >艸<)2018/07/31

しーふぉ

25
翻訳とは解釈ということ。ガルシア・マルケスのシナリオは光景を頭の中でバラして、次々とコンテのようなものを作り、シナリオを完成させていく…鴻巣さんは丁寧に文章を作る方だなという印象です。2019/08/07

Nobu A

21
鴻巣友季子著書3冊目。2011年初版。長らく待った。暫くプレミアが付いていたが、定価より落ちた好機にアマゾン中古本購入。翻訳家には言語感覚が鋭く巧みな文章を綴る人が多いように感じる。単語一つ取っても緻密な選択。著者もその一人。加えて、諧謔的で楽しませてくれる。「暴力弁当」や「おひとりさまごっこ」も面白かったが、第5章「さあ仕事しよう」で言語化された所作や思考に思わず膝を叩き、心の襞に触れる。穂村弘の「解説」も秀逸。タイトルが粋。正に全身でことばを感じているのがひしひしと伝わる。益々ファンになってしまった。2022/09/19

壱萬弐仟縁

15
翻訳家でもあり、母親としては、子供のことば習得過程に驚きをもって語られる(37頁)。ことばの建築現場・・・この表現はなかなかいい印象を受ける。積み木を積み上げるイメージがある。子どもが無邪気に笑うのは、gift of nothing―「なにもないことの恵み」(39頁)。地域づくりにない物ねだりは禁物だが、ないことを嘆くのではなく、それを固有価値と考えるのは卓見。料理上手な40代男性は結婚しているとのこと(73頁)。そうなんだ。頑張らないと。103頁にあるように好きこそものの上手なれ。古典重視(126頁)。2013/09/12

練りようかん

12
ほんの一字か二字で訳文は変わると書かれていて、原文を読めないのに不思議だが本当にそうだと思う。鴻巣さん訳は文章に纏う空気までのせてくれる印象だ。顔見知りのあ・うんの呼吸の訳を考えてたり、翻訳過程の実況中継を読むとやはり何かしらの空間に対して取り組まれているように思えて、“全身”の意味と裏付けに嬉しくも慄きに近い感情を抱いた。子供時代から大人の横のお付き合いまでが綴られ「体験」の日々が興味深い。エッセイとしては「味噌の解禁日」と「ヤマダさんの煙草」が面白かった。『風と共に〜』読むぞ!意欲が湧いてきた。2024/03/30

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