内容説明
廃屋に閉じ込められた六人の高校生たち。あるのは僅かな食糧と、一通の手紙――。【私を殺した犯人を暴け】 差出人は真鶴茜。七年前の花火の夜、ここで死んだ恩人だった。
謎の残る不審な事故。だが今更、誰が何のために? 恐怖の中、脱出のため彼らはあの夜の証言を重ねていく。
児童福祉司だった茜に救われた過去。みんなと見た花火の感動。その裏側の誰かの不審な行動。見え隠れする嘘と秘密……この中に犯人がいる?
全ての証言が終わる時、衝撃の真実が暴かれる。
一気読み必至。慟哭と感動が心に突き刺さる――! 発売から大重版が続く『15歳のテロリスト』『僕が僕をやめる日』松村涼哉の、慟哭の衝撃ミステリーシリーズ、待望の最新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
106
作者の目線は、苦しむ子供たちの方からなんだな。助けになりたいという大人を中心に据えてるようで、核は子供たちだ。ストーリーのプロットとほんの少しだけ稚拙なところがあるようにも思ったが、子供達の幼さゆえにそうであるのかもしれないと思う。こんな若い作家さんが次々と書いてくれることが嬉しい。注目。2023/05/23
はにこ
64
死んだ恩人からの招待状を受け取り廃屋に閉じ込められた桜介たち。茜の死についてそれぞれの嘘を暴きながら紐解いていく。児童虐待がニュースで頻繁に流れる。かつては近所や家族の助けで防げていたかもしれない問題が、児童福祉司の肩に重くのしかかっている。救われるべき命を助けられないのが彼らだってもどかしいはずなのに、責任を問われる。不幸な世の中なのかもしれない。2023/12/06
坂城 弥生
57
虐待に関わる難しさ、そしてそもそもマンパワーが足りていないという事実。虐待に対して世間の意識が向いたがゆえの通報の増加、仕事の増加。茜の願いが彼ら7人には届いていると思いたい。2021/02/24
よっち
48
無視できない手紙で呼び出され、廃屋に閉じ込められた六人の高校生たち。彼らは脱出のため、七年前の花火の夜にここで死んだ恩人・真鶴茜の死の真相を暴けという命題に、あの夜の証言を重ねていく青春ミステリ。児童福祉司だった茜に救われた過去、みんなと見た花火への想い、誰かの不審な行動、そして見え隠れする嘘と秘密。誰もが秘密を抱えていて、他の人が知らなかった茜の新たな一面も見えてきて、その結末は何ともやりきれない感じもしましたけど、何とかしようと懸命に足掻く人たちの思いが報われてほしい、と思わずにはいられませんでした。2021/02/07
白雪ちょこ
37
悲劇が悲劇を生む、どんでん返しも満載な重く哀しいミステリー。 一人一人の証言により、犯人は一体誰なのか解いていくところが、「暗黒女子」の流れにも似ているように思えた。 児童相談所の悲惨な現実、子供達の虐待やネグレクト。 さまざまな心の傷など、作者独自の表現により、上手く描かれていた。 内容もわかりやすく、読みやすい。 しかしだからこそ、直球的に彼らの送ってきた人生の痛みが、心に突き刺さってくる。 茜さんが本当にいい人すぎて、仕事に一生懸命な彼女が、なぜ報われなかったのか。 ただただ哀しい。2023/03/28
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