文字と組織の世界史 -新しい比較文明史のスケッチ

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文字と組織の世界史 -新しい比較文明史のスケッチ

  • 著者名:鈴木董【著者】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 山川出版社(2020/12発売)
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  • ISBN:9784634150584

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内容説明

中国・インドが近未来の2大経済大国となりつつある今、世界は「西欧の世紀」から再び「アジアの世紀」を迎えるのか?この事態を読み解くための、新しい「文明史観」がここに登場!諸文明を「文字世界」として可視化し、歴史上の巨大帝国を「支配組織」の比較優位で捉え直す、トインビー、マクニールを越える「比較文明史」の試み。

「紀伊國屋じんぶん大賞2019 読者と選ぶ人文書ベスト30」に選出!(10位)歴史書ではトップにランクイン!反響続々!!

『日本史の内幕』の磯田道史さん
「たった一冊で全世界の人類史を語る本など、そうそう書けるものではない。古くはトインビーがそれをやった。文明史である。近年では、ハンチントンが『宗教』、トッドが『家族』、梅棹忠夫が『生態』を切り口に、人類を幾つかの『文明』にわけて人類史を語った。しばらく、そんな壮大な文明史を書く学者は日本に現れまいと思っていたが、本書が出た」(毎日新聞書評)

『仕事に効く教養としての「世界史」』の出口治明さん(立命館アジア太平洋大学学長)
「本書は諸文明を『文字世界』で大くくりに分け、世界帝国を『支配組織』の比較優位で論じた一つの試みである(中略)著者は中国の昇龍を予見するが、日本は「経済力と技術力で常にイノヴェーションを生み出し、活力を保っていくことが肝要」という結論を導く」(朝日新聞書評)

WEBRONZA書評
「本書は言語・文字・宗教を切り口にして古代メソポタミアから現代までの数千年にわたる世界の歴史を俯瞰したうえで現代そして未来を展望しようとした、意欲的な『世界史』であることに気が付いた(中略)冷戦の終わりは予想に反して『歴史の終わり』などではなかった。世界はいま何とも予測しがたい過渡期にあるのかもしれない。そのことを再認識させてくれる本」(松本裕喜さん)

『週刊金曜日』書評
「世界四大文明にはじまり、現代から近未来にいたる壮大な時間スケールで人類史をまとめる意欲的な試み(中略)明朝の鄭和による大遠征以来となる現代中国の『一帯一路』構想や、その中国が一強になる未来を回避して東・東南・南アジアの大きな共同体を考える場合に無視できないインドの存在など、ラテン文字世界中心の秩序に拮抗しうる漢字世界と梵字世界の潜在力が、単なる西洋vs.東洋という二項対立の構図を超えて浮かび上がってくる」(永田希さん)

『日刊ゲンダイ』書評
「1957年、梅棹忠夫は『文明の生態史観』で新たな文明史モデルを提示し、大きな反響を呼んだ(中略)それから60年、『新しい文明史観』をうたう本書は文字に着目し、同じ文字を使用する地域同士がどのような文化的共通性を醸成していったのか、そして他の文字文化圏といかなるあつれきを生じてきたのかを概観する。注目すべきは、言語・宗教・民族といった区分けと文字文化圏は必ずしも一致せず、文字文化圏という観点を導入することで新たな歴史の動きが見えてくることだ」

「文字だけでなく、組織に注目したところも、斬新なアイデアで、大いに関心させられた。(略)世界史で大学受験する者や、大学で歴史や人文学を学ぶ者にとって必読文献であることはいうまでもない」(シュうぇッチマン氏)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aminadab

13
著者はオスマン帝国史の大家。大きな文化圏を定義するのは言語よりむしろ文字だ、という趣旨。イスラム圏内でもトルコではトルコ語、イランではペルシャ語が話されていて、どちらもアラビア語とは完全に別系統の言語だが、記される文字は等しくアラビア文字(ケマル以前)。逆にインドのヒンドゥー語とパキスタンのウルドゥー語はごく近縁の言語だが前者は梵字、後者はアラビア文字で書かれる。なるほど、母の懐で自然に覚える「言語」より、寺子屋で覚えさせられる「文字」が大事、というのは説得力あり。世界史副読本として超優秀、お勧め。2020/06/08

ピオリーヌ

11
とある時代の専門家が著す通史の面白みを感じる。専門外の時代に対する慎重な書きぶりと、専門の時代になった時の筆ののりっぷりの差が良い。ムハンマドが登場しイスラームの記述になった際の鮮やかな説明がたまらない。アレクサンドロスの大征服、モンゴルの大征服も後世に多くの影響を与えたが、アラブの大征服に比すればその影響は持続し、定着したとは言い難いという。アラブに征服された空間のうち、ほぼ全てがムスリムの支配下に残り、アラビア文字は母語を異にする人々にも受容される等、その影響は大きい。2021/04/22

あけの

5
文字の観点から見た世界史の動向は私には新しい視点だったので面白かったです これを読んでた時にそういえばあのときのあの漫画どうなったかな~と歴史を題材にした漫画などをいろいろと思い浮かべました イスラムがおもってたより他の宗教に寛容だったこと、十字軍の非寛容性なこと この先文字圏と世界の動向はどうなっていくのか、何千年あとに残る文字はなんなのかとても興味深く思われました2018/11/17

Masako3

4
★★★ 文化史に詳しいオスマン帝国の専門家。主に四つの文化文明に分けて、世界史を浅く広く論じている。ラテン、キリル、梵字そして漢字だ。更に宗教を加えて考察を簡潔にしており、雑多な知識の集積となりがちなテーマをわかりやすくまとめている。言語や民族だと、と、細分化されすぎるので、良い切り口だと思う。教科書みたいだ、と思ってたら、山川出版社だった。2019/01/14

samandabadra

4
文字に関しては若干書かれているけど、どちらかというと世界史の概観といった本と思われます。先に書かれた!と思ったものの、文字に関してだけなら、まだ、書いても大丈夫と安心しました(笑) ただ、文字は音を写し取るだけの機能を持っている訳ではなく、なわばりを確定するためのものであるというところでは意見が一致していると思います。モンゴル、中央アジアやロシアなどの文字に関する記述には?がつくところありますな。(最初の文字に関する図を含め) 2018/11/08

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