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内容説明
経済大国だった日本は、なぜ中国に追い抜かれてしまったのか?
その秘密は「リープフロッグ」にある。遅れてきた者が、先行者をカエルが跳ぶように追い越すこと。それが「リープフロッグ」だ。
中国でアリババをはじめとするテック企業が発展したのは、銀行や固定電話といった既存ネットワークが未発達だったため、eコマースとスマホを利用した新しいビジネスモデルが成長する余地があったからだ。
そして、世界の覇権争いの歴史を振り返ると、リープフロッグ=逆転勝ちの連続だったといえる。
・紙、印刷術、羅針盤を発明して最先端の文明を誇った中国だったが、大航海で世界にうって出たヨーロッパに追い抜かれた。
・ヨーロッパは「株式会社」というリスク分散方法を開発して発展した。
・産業革命を果たして覇権を握ったイギリスだったが、電気の時代に立ち遅れ、ドイツとアメリカに追い越された。
・インターネットの時代と「改革開放」がかみ合って、21世紀に中国が覇権を握ろうとしている。
リープフロッグの歴史に学ぶことで、日本経済復活の道を探る一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
74
イタリア→ポルトガル→スペイン→イギリス→ドイツ・アメリカと経済覇権が遷移する歴史や中国の例を辿りながらリープフロッグを考える。野口先生は「リープフロッグは、遅れているから自動的に起こるのではない。新しい技術が登場し、それを用いた「新しいビジネスモデル」が開発されることが必要」と強調する。日本の奇跡の近代化は、リープフロッグではなくキャッチアップに過ぎなかったんだ。ITによって「資本を必要としない資本主義」が齎された現在、日本が逆転を狙うには「新たなビジネスモデル」の創造しかないという警鐘が胸に刺さる。2021/04/22
ta_chanko
18
「日本は世界第二位の経済大国」というのは過去の栄光で、1980年代をピークに国際社会における日本の経済的影響力や国民一人当たりのGDPは低下の一途を辿っている。原因は1990年代から急速に進んだ情報化・IT化に遅れをとり、過去の成功体験(国家主導のキャッチアップ型経済、年功序列と終身雇用、社内の人間が出世して経営者になることなど)から脱却できなかったこと。歴史を遡れば、社会や技術の進歩は日進月歩。「先進国」の地位に安住していると、成功体験が逆に足枷となり、瞬く間に「後進国」に追い抜かれてしまう。2021/03/17
とみやん📖
15
野口悠紀雄氏の本は「超整理法」以来。この方経済学者だったのか。まず、驚き。途中の大航海時代やその後の第二次産業革命辺りは歴史の振り返りで退屈だったが、それ以外は示唆に富んでいる。制度やシステム、技術の転換が起きたときに、それが高度に浸透、定着している国ほど、抜かれるリスクがある、というのが、リープフロッグの本質だろう。つまりは栄枯盛衰。成功体験に捕らわれて変化に適応できないことが一番の壁なのだろう。個人も企業も国もそれは同じか。コロナでようやく日本も時代に取り残されていることに気づいた。これからが楽しみ。2021/10/03
Yutaka Matsuzawa
15
リープフロッグとは遅れていた国がある段階をすっ飛ばして先端技術と新たなビジネスモデルで先進国を逆転すること。銀行システムが未発達だったがゆえに広がった中国の電子マネーがいい例。さらに日本では銀行やクレカ会社など既得権益者が発展の妨げをしている。社会構造からして既得権益者が多い日本はこれからどうなんだろう?それより私が面白かったのは、スペインやイギリスなど当時の先進国が次々とリープフロッグをされていった歴史。世界史で習っているはずなんだけどな。新聞を読んでいれば知っている知識だったがより理解でき良かった。◎2021/02/15
どん
6
後から来たものが蛙飛びのように追い越していくリープフロッグ。大航海時代、産業革命と世界史上のリープフロッグをわかりやすく解説してくれる。アイルランドの経済発展は知らなかった。世界史の本のよう。 日本はリープフロッグではなくキャッチアップしてきた。リープフロッグはその国の状況に合わなければならないが、日本には規制や既得権が多く守ろうとする力が強い。これをどう越えていくのかが課題。2021/06/15
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