- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
世界最高峰エベレストの冬は、寒気はむろんのこと、吹きすさぶジェット・ストリームとの闘いとなる。この厳冬期のエベレストに単独でアタックし、見事“三冠王”(春、秋、冬登頂)の偉業を、世界にさきがけて達成した天才クライマー加藤保男。だが、快挙の直後、氷雪に消え、33歳の劇的な生涯を閉じた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ランフランコ
11
この時代に活躍したクライマーの本は何冊か読んだが、加藤保男が群を抜いて爽やか。人柄は植村直己と並んで愛されキャラのようだ。一度目はかの有名なRCCでのアタックだが、登頂成功後に手足の指13本を凍傷で切断していたことは知らなかった。その後2度エベレストを制したことは驚嘆に値する。この時代はまだエベレスト登頂の黎明期であり世界初を競っている。どうしても無理をするし登攀の技術も情報も装備も今よりも当然落ちる。そういう本ばかり読んでるからだろうが、この時代の有名なクライマーはそのほとんどが山に散っている。2022/07/13
タミイ
6
『天のにおい』と『死のにおい』がするという地球上で最も高い場所。大自然と凄惨過酷な闘いを繰り広げ8848mのエベレスト頂上に挑む登山家たちの余りにも激しい真実の物語と悲劇的な明暗の分かれ道にはただもう驚愕。初登頂で手足指13本を失うも(しかも局所麻酔で自分の手術を見届けた!)不屈の闘争心で再起し、春秋冬エベレスト「三冠」登頂、厳冬期の世界初登頂という偉業を成し遂げて遭難死した加藤保男氏のドキュメンタリー。超人的体力と強靭な精神力、長身端麗で明るく豪快、皆に愛された天才クライマーの魂に永遠の安らぎあれ。2017/07/24
Shoichi Kambe
1
*南壁からの頭頂続行と並行して、東南稜登頂を目的とする隊を出す。 *加藤保男(24歳)、石黒久東南稜から登頂。8650mの高所でビバーク。疲労と高度障害。サポート隊により救出。加藤の体から合計13本の手足指が失われた。石黒久は頰に軽い凍傷。酸素不足? *1980年5月3日加藤保男は世界で初めて。、エベレストの南北、ネパール側と中国側から頂上をきわめたサミッターとなった。 *1982年12月27日厳冬期キエベレスト登頂後下山中に遭難…春、秋、冬を制した「三冠王」2021/12/11
lopmomo
1
世界に名を残す登山家というのは情熱や努力だけではない持って生まれた才能のある人だというのがつくづくわかった。それにしても凍傷で切断する際に自分の指が切られるところを見ておきたいからと部分麻酔を選択し、脂汗を垂らしながらその様子を見るなんて並大抵の精神力ではない。2013/05/05
そーだ
0
父の持っていた本。壮絶。そしてグロい。2012/01/25