角川書店単行本<br> 見えない星に耳を澄ませて

個数:1
紙書籍版価格
¥1,760
  • 電子書籍
  • Reader

角川書店単行本
見えない星に耳を澄ませて

  • 著者名:香月夕花【著者】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • KADOKAWA(2020/12発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041099841

ファイル: /

内容説明

音大のピアノ科に通う曽我真尋は、たまたま参加した大学の授業で人の心を薬のように癒す音楽もあることを知り、三上先生の診療所で音楽療法士の実習を受けることにした。大人の声に耳を閉ざす少女、キラキラと飾った虚構の自分しか愛せないパーソナルスタイリスト、探し求めた愛情を見付けられず無気力に生きる中年男性……様々なクライエントと音を通じて向き合ううちに、真尋自身も自分が抱えた秘密と向き合うことになり――。
私たちはこんなにも弱くて、脆い。それでも生きることから、逃げられない。美しい旋律と共に、生き抜く強さを与えてくれる感動の一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

105
母の期待を背負い、音楽系の高校からそのまま音大に進んだ主人公真尋。音楽療法にも興味を持ち、合わせて学ぶようになる。助手としてクライアントに楽器を思うがまま弾かせることで心にためているものも吐き出させる。そして真尋自身にも闇が…。毒母とも言える娘を思い通りにしようとする母、その母も自分を認めてくれない祖母に対して闇を持つ。読んでいて苦しい。そして真尋のお兄ちゃんは…ええっ。2021/12/17

みかん🍊

100
音大に通う真尋は音楽療法の実習で心に問題を抱えたクライエントと楽器を奏でる、しかし彼女自身もある問題を抱えていた、母親の影響というのは代々引き繋がれていくのか、それ程親に縛られてしまうのか母子関係というのは闇が深い、可愛らしい装丁と音楽セラピストと言う事で温かい話かと思っていたが苦しい読書だった。2021/05/10

❁かな❁

82
音大ピアノ科の真尋は音楽療養士の見習いとして三上先生の診療所で実習を受けることに。真尋自身、繊細で生き辛そうなのが伝わってくる。真尋の母の存在が重くてしんどかった。クライエントの心に寄り添い向き合っていく中で真尋も自分の心に少しずつ向き合っていく。色々なことがわかっていき、とても切なかった。「人生が終わりに近づいたとき、一番引きずるのは思い残しの感情だそうですよ。そのまま引きずるよりは、思い切って、会えるうちに会ってみた方がいいのかもしれません。」「幻だって現実を生きる力になる」って本当にそうだなと思う。2021/04/09

シャコタンブルー

67
人の心の奥底に眠る秘めた感情、それは自身では気付かず、誰かの助けを得て解放されるのを待っているのかも知れない。音楽療法士の元に通う人達の複雑な心境と頑な思考、それを音により開放することの困難さを目の当たりにした。母親と祖母の間で葛藤する音大生の真尋が直面する現実と彼女の感受性豊かなゆえのマイナス思考に時として困惑する場面もあったが、母親の操り人形から脱却しようともがき苦しみながも音楽療法士を目指す姿にエールを送った。いつまでも優しい兄が妹の真尋のために奏でたあのピアノの一音は私の心の奥底にも静かに響いた。2021/02/06

はる

66
とても繊細な物語。音大のピアノ科に通う曽我真尋は、人の心を薬のように癒す音楽もあることを知り、三上先生の診療所で音楽療法士の実習を受けることにした…。様々な人たちの、切ない心の奥の叫び。静かな文章なのに、押し込まれた感情が今にも張り裂けそうで苦しくなる。そして、ラストにそれまでのことがひっくり返るような事実が明らかになった時、激しい悲しみとともに、ようやく息をつけたような開放感が押し寄せてきた。2021/01/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17013143
  • ご注意事項

最近チェックした商品