岩波少年文庫<br> 飛ぶ教室

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岩波少年文庫
飛ぶ教室

  • 著者名:エーリヒ・ケストナー/池田香代子
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 岩波書店(2020/12発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784001141412

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内容説明

ボクサー志望のマッツ,貧しくも秀才のマルティン,臆病なウーリ,詩人ジョニー,クールなゼバスティアーン.生いたちも性格もまったくちがう少年たちはそれぞれに,悩み,悲しみ,そしてあこがれを抱いています.寄宿学校でくり広げられる,涙と笑いがつまったクリスマスの物語.新訳.

目次

まえがき その一 ┴ケストナー夫人と息子の言い合い┴ツークシュピッツェのながめ┴ゴットフリートという名前のチョウ┴白黒のぶち猫┴万年雪┴友情あふれる仕事じまい┴そして、仔牛はおおむね雄牛になるというもっともな話 ┴まえがき その二 ┴軸が緑の鉛筆がなくなったこと┴子どもの涙の大きさについて┴ヨーナタン・トロッツ少年が大西洋を渡ったこと┴おじいさんとおばあさんがむかえに来なかった理由┴人間のくじけない心をたたえること┴そして、勇気とかしこさをあわせもつことを強く要求すること┴1 ┴壁をつたうこと┴ダンスの練習をする男の子たち┴怒ったらこわい優等生┴大きな白いつけひげ┴『飛ぶ教室』の冒険のあらまし┴詩を暗唱する舞台げいこ┴そして、思いがけない中断 ┴2 ┴禁煙さんについてのくわしい話┴書き取りのまちがい三つ┴ウーリ、こわがり病をこわがったこと┴客車での作戦会議┴フリドリーンを偵察に出したこと┴クロイツカムがおそわれた理由┴そして、走る五人┴3 ┴フリドリーンがもどったこと┴ヨーロッパ一痛快な秀才の話┴エーガーラント夫人のきょうのいらいら┴歩いていく騎馬の特使┴のめっこない条件┴さえてる作戦┴そして、もっとさえてる禁煙さんの提案 ┴4 ┴テクニカルノックアウトに終わった勝負┴実業学校生の約束違反┴板ばさみのエーガーラント┴マルティンの秘密の作戦計画┴地下室の顔面パンチ┴ひと山の灰┴勝ってもいいという許可┴そして、エーガーラントが身を引いたこと ┴5 ┴かっこつけテーオドールとまたぶつかったこと┴寄宿舎の規則についてのやりとり┴思いがけないほめことば┴ふさわしい罰┴舎監先生の長い話┴そして、それについてあとで男の子たちが話したこと ┴6 ┴六頭立ての馬車の絵┴古い冗談が大いにうけたこと┴バルドゥインという名前┴びしょぬれになってびっくりしたこと┴幽霊の行列┴かゆくなる粉をまく怪物┴窓辺のジョニー┴そして、ジョニーの将来計画 ┴7 ┴クロイツカム先生のこと┴ぞっとする事件┴男の子たちが五回書かされた文┴休みの時間のみょうな知らせ┴ベク先生との散歩市民農園の再会┴そして、柵のそばでのあくしゅ ┴8 ┴山のようなクッキー┴『飛ぶ教室』のつぎの舞台げいこ┴ウーリが傘をもちだした理由┴校庭と校舎をまきこむ大騒ぎ┴ベク先生のなぐさめのことば┴そして、第三音楽室 ┴9 ┴ゼバスティアーンが、不安について熱弁をふるったこと┴代役を立てたこと┴こっそりお見舞いをしたこと┴酒場「最後の骨まで亭」とあたたかい夕食┴郵便屋と出会ったこと┴そして、両親にあてたマルティンの手紙 ┴10 ┴休暇まえの最後の授業┴キルヒベルクの散歩と出会った人びと┴マティアスにチョコレートがもう一枚┴体育館でのクリスマス集会┴思いがけない観客┴その人がもらったものと、言ったこと┴そして、マルティンのベッドのそばでの一瞬 ┴11 ┴大はしゃぎの駅┴生徒のいない学校┴野外ボウリング場であきらかになったこと┴こっそり柵をこえる先生┴ウーリを見舞うこと┴親は選べないというジョニーの意見┴そして、二度も苦しまぎれのうそをつくということ ┴12 ┴たくさんの美しいクリスマスツリーと一本のちいさなトウヒ┴一個が四ポンドもあるオレンジ┴おびただしい涙┴何度も呼び鈴が鳴ったこと┴泣き笑い┴新しい色鉛筆と、その使い初め┴ヘルムスドルフの夜間ポスト┴そして、流れ星 ┴あとがき ┴バスと路面電車┴クジャクチョウのゴットフリートとエドゥアルトという名前の仔牛の悲しい思い出┴ジョニー・トロッツと船長に会ったこと┴正義さんと禁煙さんにくれぐれもよろしく┴そして、この本のおしまい ┴訳者あとがき ┴さし絵 ヴァルター・トリアー

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

393
この年齢になって初めて『飛ぶ教室』を読んだ。少年時にケストナー体験がなかったのである。その頃に読んでいれば、ギムナジウムに強い憧れを持っていただろうと思う。この物語は二つの世代を扱っている。すなわち、今の5年生のジョニーやマルティンたちと、かつてはここの生徒であったベク先生や禁煙さんたちの時代である。そして、物語はいとも易易とそうした世代を超えてゆく。ギムナジウムには懐旧と未来への希望とが共存しているのである。誰にとっても、キルヒベルクのギムナジウムはそんな永遠の場所である。2024/10/07

のっち♬

136
クリスマス前の寄宿学校の少年たち。表題を冠した学芸会劇に重心はあまりなく、前半は仲間を誘拐した対立校との抗争・決闘や負傷事故が繰り広げられ、仲間意識の強さを物語る合言葉が飛び交う腕白な世界観。主役たちのみならず、気取り屋な先輩、殊勝な心構えの敵校リーダー、著者を投影した先生たちに至るまで一人一人の精彩が鮮やか。執筆時期はナチが政権を握った直後。目前で行われる焚書や平和の責任の所存を問う台詞に込められた象徴性、規則で縛りつけない自由な気風や大らかなヒューマニズムに込められた祈りはメタ構造により切実さが増す。2024/01/25

ちゃちゃ

117
自信がないのにむやみに誇り高く意地を張ったり。自分や仲間を貶められたら見境いなく義憤にかられたり。信頼する大人への尊敬の念に胸を熱くしたり。自らの弱さや哀しみを独り抱えて苦しんだり…。あぁ、顧みるとなんと切なく煌めきに満ちたあの頃。本作を読むと、思春期にある少年たちの瑞々しい感性に揺さぶられて心がじわりと熱くなる。クリスマスを目前に控えたドイツの寄宿学校で、少年たちはかけがえのない日々を経て成長してゆく。これはケストナーが私たち大人に、あの頃を忘れないようにと贈るクリスマスプレゼントなのかもしれない。2021/12/23

(C17H26O4)

108
昨年の12月は青い鳥文庫と新潮文庫でこのお話を読んだので、今年はこちらの岩波少年文庫を。この池田香代子さんの訳、少年たちがとってもいきいきとして感じられていちばん好きだなあ。導入部にも自然に入っていけました。「あったりまえ!」っていう合言葉もとても微笑ましい。いつもおなかがすいているマティアスがやっぱりかわいいな。自分で言った「罰をくらったもんだ」の「くらった」という言葉でまたおなかすいちゃうんだもの。2019/12/13

ずっきん

95
クリスマスに読むつもりは特になかった。「おっと、積んでるの忘れてた」と、まえがきをパラリとしたら、ついつい読んじゃっただけだ。薄いしね。第一、青臭い中坊どもの話なんて、それほど興味も無い。ほうら、案の定、展開がミエミエのベタベタじゃないか。……だが、なぜわたしは、湿ったティッシュを握りしめてるんだろう。そして、なぜ、鼻歌(クリスマス・ソング)を歌いながらレビューを書いてるんだろう。わかってる。本当はわかってるよ。ああ、あったりまえ!だよ。ケストナー、ありがとう。メリークリスマス。2020/12/25

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