科学哲学からのメッセージ - 因果・実在・価値をめぐる科学との接点

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科学哲学からのメッセージ - 因果・実在・価値をめぐる科学との接点

  • 著者名:松王政浩【著】
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  • 森北出版(2020/12発売)
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  • ISBN:9784627973510

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内容説明

科学と科学哲学を架橋する、科学哲学からの試み。

「因果とは何か」、「そもそも科学は何を知るのか」、「科学者は“価値”をどこまで語ってよいのか」。科学哲学はこうした問いを掲げながら、必ずしも科学そのものとは交わらない独自の発展を遂げてきた。
本書は、本来あるはずの科学哲学と科学の接点を探るべく、「因果性」「実在/反実在」「価値判断」の三つの問題群に着目。専門外の読者も想定し、分野内部でどんな論争が繰り広げられてきたのか、そこで一体何が問題にされてきたのかを案内する。
さらに「ジカウイルスと小頭症」、「IPCCによる気候変動の人為起源説」、「地震学者たちの責任と価値判断」など、具体的かつ広範な事例を取り上げ、科学・技術の実践のなかにすでに科学哲学的問題が存在していること、そして「統計哲学」の視点から開ける新しい眺望を見る。

――分野をまたぐ科学哲学の役割を確信し、誠実な研究を重ねてきた国内屈指の科学哲学者による、初の単著。

【推薦の言葉】
「これまで『科学と証拠』『科学とモデル』など重要な科学哲学書の翻訳を手掛けてきた松王政浩氏が、ついに長年の思索と研究の成果を一冊の書籍にまとめた。本書は、因果について、実在について、科学と価値の関わりについて、異なる視点を持つ哲学者と科学者がいかに協働すべきかという問いに著者独自の解答を示す。本書は科学と哲学のよりよい関係をめざすすべての人への著者からの熱いメッセージである。」
――伊勢田哲治(京都大学)

「科学哲学というのは科学を上から見て論じるのだろうと勝手に思い込んでいたが、科学と科学哲学は対等な立場で対話するのだと松王さんはいう。しかも、科学哲学の主要な論点と学説の系譜をこれだけ見通しよく示してくれた上で、対話をしましょうと手を差し伸べてこられたら、科学は科学哲学との対話に喜んで応じるしかないではないか。それによってお互いに得られる気付きは豊かであるはずだ。」
――江守正多(国立環境研究所)

目次

第Ⅰ部 科学哲学は何を問題にしてきたか
 第1章 因果性 
 第2章 実在論/反実在論
 第3章 価値判断

第Ⅱ部 科学哲学と科学の接点
 第4章 因果論と因果の発見
 第5章 実在論論争と科学の実践
 第6章 価値判断と科学者の規範

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すずき

4
1,4-2,5-3,6の順で読んだ方がいいかなと思う。実際の科学実践とのつながりを強く意識して、理論と実践の双方向からアプローチしているのが特徴的。けどかなり難しかった。統計哲学の専門家らしく、仮説の受け入れ、棄却に価値判断が関わっていく議論であるとか、実在論と反実在論の対立もそうした統計的な手法とパラレルに考えるとかについても特徴的だった。2021/06/14

Akiro OUED

1
IPCCは、気候変動に計算可能なアルゴリズムがあるとする実在論の立場から、人為起源説を提示した。これが、科学哲学の見立てだ。科学哲学の包丁でIPCC報告書を捌いたらどんな一品が出来上がるのか。だが、哲学者は包丁を語っても、使わない。出よ、自分で料理する科学哲学者。好著。2025/06/11

Q

1
科学を対象とした哲学の一種である***科学哲学***についてなんとか解説してみる本。この分野について全く聞いたことがないので手に取った。が、自分にはとても難しい本だった。本書の多くの頁は因果関係に注目していたように思う。結局科学が因果関係を扱う場合、なんらかのモデルを作ると思う。科学が比較的柔軟なのはこのモデルを柔軟に選べるところではないか。統計やディープラーニングその他なんでも良い。また本書で指摘されている通りモデルの前にその周辺が固まっている場合もあるだろう。2022/02/07

buuupuuu

1
前半で哲学的な議論状況を概観し、後半でそれを科学的実践に繋げることを試みるという構成。例えば「価値」の場合、前半で、科学は価値判断から独立かという問題が取り扱われ、後半で、科学者の社会的責任の範囲について考える、等。具体例が豊富で、ニュートリノ振動の発見や、気候変動に関するIPCCの報告、地震予知における情報発信など、文系の自分にはそれだけでも興味深かった。2021/01/10

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