内容説明
猫との日常には、いつも新たな発見がある。
太古より人間の側で暮らしてきた猫は、時代や飼われ方によって色々な表情を見せる。
猫と犬の性質の差や猫好きと犬好きの違いについて思いを馳せる「猫と犬」(谷崎潤一郎)や、
吉行家で飼っていた〈モテる〉雄猫と彼についての思い出を語る「モテる系統のネコ」(吉行淳之介)など、
猫の生態と猫が繋ぐ人々の機微を味わうエッセイ集。
【収録作品】
谷崎潤一郎『猫と犬』『猫──マイペット』
奥野信太郎『養猫記』
木村荘八『我猫記』『私の猫達』
寺田寅彦『舞踊』
大佛次郎『お通夜の猫』『山寺の猫』『ここに人あり』
豊島与志雄『猫性』
白石冬美『桃代の空』
吉行淳之介『モテる系統のネコ』
長部日出雄『家なき猫たち』
熊井明子『私の猫がいない日々』
夏目漱石『猫の墓』
中村眞一郎『私の動物記・猫』『猫の災難』
柳田國男『猫の島』
山崎朋子『わが家のライオン』『猫の引っ越し』
黒田亮『猫にマタタビの誘惑』
島津久基『銀の猫』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
188
本日の猫本第二弾は、文豪から現代の作家までの猫に纏わるエッセイ集です。オススメは、吉行 淳之介の『モテる系統のネコ』&熊井 明子の『私の猫がいない日々』だにゃあ (=^・・^=) 角田 光代の解説もGOODでした。続いて近日中に小説編を読みます。https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-55639-02021/02/22
山田
13
文豪・学者・DJなどなど、様々な方の猫にまつわるエッセイ本。 「我が輩は猫である」の夏目先生は意外にも飼い猫に興味が薄かったようで…でも、猫の死を通して妻や子供達の喜怒哀楽の描写を読むと、父親と作家の両方の顔がうかがえる。 猫であれ何であれ、ペットのいる生活に憧れてしまう。2021/01/24
まさ☆( ^ω^ )♬
12
たまたま見つけた一冊。猫を飼いたいと思っているのですが集合住宅のため飼えないので、せめて猫に纏わる本でも読もうと思い手に取りました。殆どが明治生まれの作家によるエッセイで、現代とは違う猫との関わり方が興味深かった。結構切なくなるお話しが多めな印象。でもとても面白かった。益々猫を飼いたくなってしまった。2022/09/22
紅茶虎
10
可愛いけど、可愛いだけではない猫のエッセイ集。ひと昔前のものが多く、猫との付きあい方も今と比べると(よく言って)大らかだ。ただ、「人間の物差しではかれらの幸せは測れない」という解説になるほどと思う。飼育法はだいぶ変わったが、猫に対する人間の感情は時代を越えても変わらない。猫自身はどうかな。2023/06/22
syk
2
文章を書くお仕事をしている方が描く猫の様子は本当に可愛らしく自由で活き活きしている。やはり今とは時代が違うので、猫に対する扱いにちょっともやつきながら読んでたら、解説で角田さんが言葉にしてくれていた。漢字とか踊り字とか、当時の表記そのままにしているところも好きポイント。2024/04/08