内容説明
猫との日常には、いつも新たな発見がある。
太古より人間の側で暮らしてきた猫は、時代や飼われ方によって色々な表情を見せる。
猫と犬の性質の差や猫好きと犬好きの違いについて思いを馳せる「猫と犬」(谷崎潤一郎)や、
吉行家で飼っていた〈モテる〉雄猫と彼についての思い出を語る「モテる系統のネコ」(吉行淳之介)など、
猫の生態と猫が繋ぐ人々の機微を味わうエッセイ集。
【収録作品】
谷崎潤一郎『猫と犬』『猫──マイペット』
奥野信太郎『養猫記』
木村荘八『我猫記』『私の猫達』
寺田寅彦『舞踊』
大佛次郎『お通夜の猫』『山寺の猫』『ここに人あり』
豊島与志雄『猫性』
白石冬美『桃代の空』
吉行淳之介『モテる系統のネコ』
長部日出雄『家なき猫たち』
熊井明子『私の猫がいない日々』
夏目漱石『猫の墓』
中村眞一郎『私の動物記・猫』『猫の災難』
柳田國男『猫の島』
山崎朋子『わが家のライオン』『猫の引っ越し』
黒田亮『猫にマタタビの誘惑』
島津久基『銀の猫』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
264
16人作家さんに依る22篇のねこねこエッセイ。以前に小説編は読んでいたのですが、エッセイ編迄あったのには気付いていませんでした。明治時代生まれの作家さんも含まれていて、中には旧仮名遣いも然る事乍ら、旧字体が唆ります。時代の差があり、ねこの扱い方に差はあれど、ねこに掛ける愛情は、形を変えて変わらないのが尊いですね。奥野さんの健康だけに注意すると言う主義は好いですね。吉行さんの所の黒ねこさんは一部白い所があるのはインチキだと、チキと名付けられてね。それはエンジェルタッチって言うのだと思いますけど。2025/10/10
starbro
189
本日の猫本第二弾は、文豪から現代の作家までの猫に纏わるエッセイ集です。オススメは、吉行 淳之介の『モテる系統のネコ』&熊井 明子の『私の猫がいない日々』だにゃあ (=^・・^=) 角田 光代の解説もGOODでした。続いて近日中に小説編を読みます。https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-55639-02021/02/22
大粒まろん
23
これは全作オススメ。ご婦人方は猫好きの男子と結婚なさるがよろしい、きつと奥さんにも優しいと申しますな。by谷崎潤一郎。これは本当そう思う笑。大佛次郎氏のはジーンと来る。2023/08/14
まさ☆( ^ω^ )♬
13
たまたま見つけた一冊。猫を飼いたいと思っているのですが集合住宅のため飼えないので、せめて猫に纏わる本でも読もうと思い手に取りました。殆どが明治生まれの作家によるエッセイで、現代とは違う猫との関わり方が興味深かった。結構切なくなるお話しが多めな印象。でもとても面白かった。益々猫を飼いたくなってしまった。2022/09/22
山田
13
文豪・学者・DJなどなど、様々な方の猫にまつわるエッセイ本。 「我が輩は猫である」の夏目先生は意外にも飼い猫に興味が薄かったようで…でも、猫の死を通して妻や子供達の喜怒哀楽の描写を読むと、父親と作家の両方の顔がうかがえる。 猫であれ何であれ、ペットのいる生活に憧れてしまう。2021/01/24
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