内容説明
美人実業家はなぜ殺された? 遺産は誰に? 美しい風景が凶々しい殺意を演出する! ――美しい日本海沿いに走る、特急「白鳥」の車内で殺されていた女性は、一代で財を築いた実業家だった。その莫大な財産を継ぐのは、前夫、姪など3名。十津川・亀井コンビが捜査を始めると、第2の事件が。こんどの被害者は、女性実業家の片腕だった副社長……。ふたりの死が意味するものは何か? トラベルミステリーの王者の会心作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飛鳥栄司@がんサバイバー
14
既読の『オホーツク殺人ルート』の進化版。犯人も動機もトリックも比較的わかりやすいのだが、事件の本質がハッキリしないので、読者はもどかしさを感じる。その座りの悪いモヤモヤ感が本作の読みどころである。十津川・亀井コンビにいつものキレがないかといえばそうでもなく、話がダレるかといったこともない。答えがわかっているのに暗中模索している不思議な雰囲気で、作者の作品の中では特異である。ミステリとしては、トリックにまつわるエピソードを挿入して伏線を張れていれば、警察小説的本格ミステリに昇華できていたと思われる。2021/07/21
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
3
1990年 2月15日 初版。「勝手に列車祭」第122弾。文庫コレクション236冊であった。この本もあちこちで殺人が起こる「ルート」ものであった。例の如く十津川警部とカメさんが列車に乗って解決するのであるが、最後は犯人が分かっていて、警部は勝負に出るが、仲間割れの結果犯人の一人が殺されてしまい。警部の憂鬱が増えた。。。犯人は最初のほうで当たりは付いていたが、名コンビの列車に乗るタイミングが遅すぎたような感じはある。いつもと違って時刻表だけで推理が終っていた。2016/09/01