おはなしSDGs 貧困をなくそう みんなはアイスをなめている

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おはなしSDGs 貧困をなくそう みんなはアイスをなめている

  • ISBN:9784065216200

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内容説明

【物語の概要】
あのとき美波が指さした画面には、大人に混じって働く子どもの姿も映っていた。勉強することも友だちと遊ぶこともできず、道ばたにしゃがんで物売りをしたり、歯を食いしばって材木を運んだりしていた。
あれが真の貧乏なんですよと言われたら、確かにうちは貧乏じゃない。
(本文より)
小学六年生の陸、三年生の妹の美波は母親と三人で暮らしている。父親は陸が小二のときにいなくなった。給食費も学童保育のお金も払えない。お風呂は三日に一回。兄妹は五百円玉をもってスーパーのお総菜売り場に夕食の買い物に行く。ハムカツとチョコとスナック菓子。テレビに、うす汚れた外国の子どもたちが映った。やせこけて、汚れた水を飲んで、病気になれば簡単に命を落としてしまう。美波は、こういう子どもたちの姿を見て、「うちは貧乏なんかじゃない!」と言う。でも、本当にそうなんだろうか。うちは、貧しくないのだろうか……。

【シリーズ「おはなしSDGs」の特色】
・各児童文学賞受賞作家やベストセラー作家など、現代を代表する一流童話作家の書き下ろし作品です。「物語の楽しさ」を第一に書かれた作品は、どの一冊をとっても、すぐれた児童小説として楽しむことができます。
・実力のあるイラストレーターによる挿絵が多数掲載され、確実に物語を読み通す手助けとなります。
・各巻とも、SDGsが掲げる17のゴールのうちの一つがテーマとなっており、いま世界が協力してその目標に向かわなくてはならない理由が自然と理解できるストーリーが展開されます。
・本文中に、物語とリンクさせるかたちで、関連する図表、グラフ、年表などが入ります。さらに、各巻の巻末で、テーマとしたSDGsのゴールについてくわしく解説しますので、テーマ学習の教材としても使用できます。
・SDGs全体について解説する「総論編」も刊行します。さまざまなゴールをテーマにした物語と、「総論編」を併読することで、SDGsについての理解がさらに深まるように設計されています。
・80ページ(一部カラー)。朝読書にもぴったりのボリュームです。

【シリーズ「おはなしSDGs」のラインナップ】
総論SDGsとは何か(那須田淳)/貧困をなくそう(安田夏菜)/ジェンダー平等を実現しよう(戸森しるこ)/安全な水とトイレを世界中に(石崎洋司)/エネルギーをみんなにそしてクリーンに(森川成美)/つくる責任つかう責任(小林深雪)/気候変動に具体的な対策を(楠木誠一郎)/海の豊かさを守ろう(佐藤まどか)/陸の豊かさも守ろう(吉野万理子)/平和と公正をすべての人に(小手鞠るい)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

肉尊

71
貧困問題は絶対的貧困と相対的貧困の両視点から考察する必要がある。①「ひもじさ」とは何か?を肌感覚として実感すること。②食物の生産、物流、販売などを通じて自然と人間の共生関係を学ぶこと。③貧困がもたらす問題点は何か?可処分所得から潜在能力の開発に限界が生じることを把握する。④貧困をなくすために何ができるか?ヤングケアラーの負担分担や子ども食堂など地域支援、貧困いじめ問題の考察など。何となくではなく争点を明確化したうえで取組む必要がある問題だと思う。2022/12/01

(*'ω' *)@k_s

68
市立図書~世界の貧困、日本の貧困、身近な貧困を考える児童書。親の貧困が、学業の貧困に繋がり、学業の貧困が進学先を奪い就職先もなくなる。大人になっても思うような仕事に就けないとお金も手に入らず、自分の子供たちに貧しい暮らしをさせることになる…“貧しさは連載する”お話の中に具体的な事例や詳細な統計が挿入されており、とてもわかりやすい。娘のために借りた本ですが、自分が夢中になって読んでしまいました💦とても考えさせられる本です。2021/10/18

モモ

61
最近よく目にするSDGs「持続可能な開発目標」世界中の人々が、よりよい未来をつくるために国連で決まった17の目標なんだそう。今回は子どもの貧困がテーマ。飢えるほどではないが、1日の夕食に使えるお金は2人で500円。父は失踪中で母に負担をかけたくない妹は歯が痛くても言えない。日本の貧困率は15.6%。子どもの7人に1人が貧困状態にある。ひとり親家庭医療費助成制度などの制度を知らずに利用できないのは、何とかならないものだろうか。この本は、そうした制度も分かりやすく書かれている。多くの人に読んでもらいたい一冊。2021/02/06

ネギっ子gen

59
【どうせって言うな!】「もしもみんながアイスクリームをなめているのに、私だけ胃薬をなめてたら、もっとつらかったでしょう」。この戦争体験者の言葉が「相対的貧困」のつらさを浮き彫りにする。小学6年の坂本陸が、玄関の郵便受けからはみ出した<教育委員会 学校給食課>からの催促状を手にするところから物語が始まる。母・絵梨は介護士だが、腰をひどく痛めてから「パート」に。父は2年のときから行方不明。陸は学校から帰ると、米を研ぎ洗濯物を取り込み風呂を洗った後、妹・美波と二人分の夕食の惣菜を買いに行く。500円玉握って――2023/01/02

とよぽん

58
読友さんの感想で知った本。小学生・・・4年生ぐらいならわかるだろうか。「おれは、なぜ」と、ひとり親家庭のギリギリの生活に理不尽さと憤りを感じる主人公。疲労の限界まで働かなければ家計を維持できない崖っぷちのお母さん。9歳の誕生日を耐えがたい歯痛で迎えた妹。「みんなはアイスをなめている」に続く言葉を思うと、日本の貧困状況に胸が痛む。安田夏菜さんの文章は歯切れよく読みやすかった。2023/01/13

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