内容説明
1970年、文芸誌『文芸』は2度にわたり、当時たびたび芥川賞候補に挙げられていた若手作家5人を集め、「現代作家の条件」「現代作家の課題」と題した座談会を開く。翌年、小田切秀雄に「内向の世代」と呼ばれる彼らは、現代作家に大きな影響を及ぼすことになる。本書は座談会出席者の一人黒井千次氏が、初期作品の中から瑞々しい魅力を放つ中短篇を精選した作品集。収録作家:後藤明生、黒井千次、阿部昭、坂上弘、古井由吉。
目次
まえがき 黒井千次
私的生活 後藤明生
闇の船 黒井千次
鵠沼西海岸 阿部 昭
日日の友 阿部 昭
ある秋の出来事 坂上 弘
円陣を組む女たち 古井由吉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウイロウ
8
後藤明生「私的生活」黒井千次「闇の船」阿部昭「鵠沼西海岸」「日日の友」坂上弘「ある秋の出来事」古井由吉「円陣を組む女たち」の六篇。長さをそろえるために阿部を二篇収録している。巻頭に選者の「まえがき」があり、各作品の前に作家の顔写真と略歴が附されているが、作品自体の解説はない。私が読んで面白く感じたのは後藤、阿部(特に「鵠沼西海岸」)、古井。初期作品アンソロジーとはいえ、六篇中四篇が芥川賞候補作なのだから、一様に完成度は高いのだと思う。ただ、当の選者である黒井さんの作品が一番退屈だったかなあ……すみません。2016/01/28
gerogeC
6
寄り道というのか遡上というのか、まだ半分の著作も読んでいないけれどたどりついたというような感慨のある『円陣を組む女たち』、面白すぎて一行ごとに思わず本を伏せる。しかしいろいろ加味して最もかっこいい短篇と思うのは後藤明生、卑俗さが悪夢めいてくるという点ではそれと似たような手触りの黒井千次、良くも悪くもフォークナーをおそろしい精度でそのまま転写したような坂上弘、とどれも読み応えあり。2018/06/17
mamaboo
4
大江健三郎との書籍に古井さんが話されていたので。この時代の文学を久しぶりに読んだ。人が会って話すのが当たり前の時代。2018/02/27
いのふみ
3
現実なのに、異界。この不思議だが、リアルなタッチ。2019/12/10
OraInuchan
2
通読2回目。2025/02/13
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