MMTは何が間違いなのか?―進歩主義的なマクロ経済政策の可能性

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MMTは何が間違いなのか?―進歩主義的なマクロ経済政策の可能性

  • ISBN:9784492654927

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内容説明

MMT(Modern Money Theory=現代貨幣理論)は救世主なのか。閉塞状態を抜け出す経済学・金融政策とは何か。世界的金融学者による初の邦訳書!

目次

謝辞
日本語版に寄せて
凡例
第1章 現代貨幣理論の台頭
第2章 MMTの基礎理論と主権通貨発行による政府債務ファイナンスの持続可能性
第3章 MMTの開発途上国への適用の限界
第4章 複数国際通貨システムにおけるドルの特権
第5章 「アメリカ第一主義」の金融政策とそのコスト
第6章 ミンスキーへの誤解
――MMT派のマクロ経済政策と金融不安定性
第7章 MMTの幻想
――MMT派の経済政策の矛盾
第8章 結論――進歩主義的マクロ経済政策の輪郭
訳者解説 MMTは実際の経済政策に適用できるのか
訳者あとがき
訳者解説・注
原注
引用文献リスト
用語一覧
訳者紹介

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Francis

19
昨年末に購入して早速読んでみた。私はMMTには違和感がぬぐえなくて全く手を付けていなかった。そんな私にこの本はドンピシャだった。著者によるMMT批判をまとめると次のようになる。①ドル基軸通貨体制を前提にしすぎている。②ドルの通貨供給が国際金融体制に与える影響を考慮していない。③財政支出が金融不安定につながる可能性を考慮していない。④財政支出により完全雇用状態になった場合、インフレーションにつながるが、その対策を考えていない。これらの批判はケインズ派の理論から導き出せるものであり、妥当なものであると思う。2021/01/04

13
MMT派の本を読むだけでは良くないと思って、手頃な厚さの本書を読んだけれど「MMTは万能ではない」という話で、決して反MMTではなかった。著者自身が非主流派の経済学者で反緊縮財政派とのことだったので、これを読んだだけでは、MMTが提示している貨幣や税金の考え方が間違っているという判断はできない。解説本を読めばMMTが適用できる国が少なく国力が落ちるとMMTは適用できない事は理解できる。「金融政策が甘い」とか「通貨は無制限に発行できない」という事ではなく根本的な誤りを示してくれる本は無いものだろうか。2022/12/26

しゅー

8
★★MMTに反論することの(政治的な)難しさは、その対極にあたる主流派経済学の緊縮財政(財政赤字恐怖症)も決して正しくないことに尽きるだろう。従って主流派からの批判もハイパーインフレ云々とナンセンスなものになりがちで話がかみあわない。エプシュタインは反主流派経済学者として財政均衡主義への異議は持ちつつも、MMTから導き出される政策の実現可能性に首をかしげている点で批判者として適任だと思う。MMT論者達自身が政策への適用に向けた実証的で制度的な検討を怠っているという著者の指摘に基づく論理展開は分かりやすい。2021/04/04

人生ゴルディアス

5
MMTはツイッターにおけるフェミニズムみたいなもので、なんとなくぼんやりした全体像はあるが、確固とした存在ではないので、戦おうとすると藁人形論法と言われるのが避けられない。アマゾンレビューで怒り狂っているレビュアーは実際にそう言っている。ただ、にしても、本書は若干怪しい。話題を広げずにMMT派が徹底的に沈黙している「カネさえ出せば勝手に健全な需要が生まれる理論」を叩き潰すほうが良いのではないか…と思ったが、著者自身が反緊縮ということで、自身の足を撃つようなことにつながるのを懸念したのだろうかと邪推した。2024/09/10

Bevel

5
MMTとポスト・ケインジアンは区別されないといけない。MMTの想定は、ドルの圧倒的な地位を前提としていて途上国ではなりたたないし、覇権通貨が「人民元」になることを考えてない。また金融が不安定化する境界を見定める気もあまりない。「完全雇用」という限界についてもう少し考えましょうという感じ。国際的に考えたら、MMTを前提とすることは、国の信用で他国の通貨を脅かすので、権威主義的に映るのよね。MMTがだめというより、全然本気じゃないよねというニュアンスを感じるので、MMT派も読みやすいのでは。2022/03/29

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