文春文庫<br> 昭和天皇独白録

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文春文庫
昭和天皇独白録

  • ISBN:9784167198039

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内容説明

天皇みずから「昭和」を生き生きと語っていた!

1990年12月号の月刊文藝春秋に掲載され、昭和天皇が自ら語った昭和史の瞬間として、内外に一大反響を巻き起こした第一級史料。

寺崎英成が記した「昭和天皇独白録」、寺崎のひとり娘マリコ・テラサキ・ミラーの「“遺産”の重み」の2部構成。
伊藤隆・児島襄・秦郁彦・半藤一利各氏による解説座談会も収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

181
張作霖爆殺事件を思うように処断できず、中国へ遺憾の意を表せなかったことで、政府や軍の決定に「不可」をいわなくなったとある(これは古川隆久『昭和天皇』によれば記憶違い)。その後も個別に意見を表明しており、好意的にみれば天皇なりに正しい政治を模索していたように思われる。主戦論者に引きずられていくのは、テロや内乱が起きて国が分裂することを恐れたためらしい。神扱いは迷惑だともいっており、立憲君主にして現人神の立場を受け容れながら色々と葛藤していたようだ。記憶違いや後付けの考えがあるかも知れないけれど興味深かった。2025/08/04

おさむ

37
昭和天皇が自ら太平洋戦争について語った昭和史の「超一級資料」だけに読み応えがあります。親しいものに話した内輪話なのか、それとも東京裁判向けの計算し尽くされた弁明書なのか。真実は藪の中ですが、木戸からの影響が色濃い天皇の人物評や宮さま同士の微妙な感情のずれなど、興味深い独白がたっぷりあります。天皇とマッカーサーの対談の通訳を務めた御用掛の寺崎英成氏が書き写して保存していたもので、戦時中、苦労を重ねた米国の妻子が後にその重要性に気づき、文藝春秋での発表につながったというエピソードも泣かせます。2018/04/16

piro

31
外交官・寺崎英成による昭和天皇の「独白録」、娘であるマリコさんによる、『“遺産“の重み』から成る一冊。昭和天皇が敗戦の原因を述べられている所など、とても興味深い内容でした。その一つとして「常識ある主脳者の存在しなかった事」を挙げられている点は驚き。このような眼で当時の情勢を見られていたとは。そしてマリコさんの文章からは、寺崎氏の平和に対する思い、外交官として開戦を止められなかった事への責任感と言ったものを強く感じられました。このような方だったからこそ、昭和天皇も心を開かれたのでしょう。2025/08/06

イプシロン

29
(再読)独白禄の受け取り方は読み手しだいだろう。天皇の戦争責任に関しては賛否両論があるからだ。しかし、責任を感情論だけで考え、法律的、政治的、道義的、形而上的、あるいは立憲君主としての責任というように分けず、とにかく責任があるという乱暴な意見には、私は首を傾げざるを得ない。今とは異なり、情報の入手はほとんどアナログ。世論も世界的に攻撃的な風潮だったといった時代性を無視しての評価も乱暴だと思うからだ。ともあれ、即位27歳、戦争勃発時は40歳であったというように、陛下の発言と年齢を照らし合わせて読むくらいの2023/06/11

金吾

26
◎昭和天皇が戦時中に何を感じていたのかがよくわかる本です。特に感じるのは部下重臣に対する非常にシビアな評価です。また18年の段階で勝利の見込みを失い単独不講和の確約がある故にドイツの敗北を願う等情勢認識もすごいと感じました。面白かったです。2021/03/26

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