ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 文学少女対数学少女

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ハヤカワ・ミステリ文庫
文学少女対数学少女

  • ISBN:9784151843518

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内容説明

高校2年生の“文学少女”陸秋槎は自作の推理小説をきっかけに、孤高の天才“数学少女”韓采蘆と出逢う。彼女は作者の陸さえ予想だにしない真相を導き出して……“犯人当て”をめぐる論理の探求「連続体仮説」、数学史上最大の難問を小説化してしまう「フェルマー最後の事件」のほか、ふたりが出逢う様々な謎とともに新たな作中作が提示されていく全4篇の連作集。華文青春本格ミステリの新たなる傑作! 解説:麻耶雄嵩

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナルピーチ

172
文学少女の“陸秋槎”によって書かれた推理小説を、数学少女の“韓采蘆”が数学的な見地に基づき、推理してその真相を導き出していく。華文青春本格ミステリの新たな傑作!と銘打たれている通り、その斬新な設定によって描かれた4話の短編作品はどの物語も数学の定理を組み込んで、論理的に作品の深意の探求を試みている。数学ネタに乏しいため、読み流してしまう部分が多々あったのが残念…。まだまだミステリへの鍛錬が必要だなと痛感。そんな感じではありながらも“ガール・ミーツ・ガール”な世界だけはしっかりと堪能させて頂きました!2022/09/28

黒瀬 木綿希(ゆうき)

163
小説の体裁をとっているが、推理小説とは斯くあるべしと問い掛けているような、はたまたもっと自由なのだと訴え掛けている意欲作のように感じた。風変わりな天才数学少女・采盧(さいろ)と自作の推理小説を発表する秋槎(しゅうさ)の関係はどことなくラノベにありそうでこれがキャラ文芸としても成り立っていることを証明していた。なるほど推理小説を数学的に紐解くとそうなるのかと、まったく新しい価値観を植え付けられたようで新鮮な読者時間でした。ルームメイトの姝琳(しゅりん)を交えた百合三角関係もエクセレント😎2021/03/10

神太郎

129
オススメされて読んでみました。ザ・ミステリー愛!連続体仮説を読んで思いました。陸秋槎が書いた校内誌の犯人当てに対してここまでミステリー論をそれも数学の理論と絡めてぶつけてくるなんて!何て挑戦的で贅沢なことをと思いながらそこからは、立て続けに残りを読み終えていきました。作中作を効果的に使いつつ、ミステリーを論じ、時たま現実世界でも事件に巻き込まれる。でも、現実では推理小説ほどうまい推理なんてできるはずもなく……。そう言う感じがまた何ともいい味だしてるなぁと。野心的で好感が持てる作品でした!→続く2020/12/25

buchipanda3

126
ミステリ書きの陸秋槎と数学の才を持つ韓采蘆、二人の女子高生による本格推理談義と数学談義が折り重なる華文青春ミステリ小説。こういった論理遊びは好み。さらに推理小説論も詰まっていてなるほどと。中身は犯人あてゲーム的な作中作を通して、本格ミステリ小説の不完全性を数学の理論に当てはめながら思考する展開。秋槎のセリフはそのまま著者の推理作家としての苦悩でもあり、本作はその壁をぶち破ろうという試みに感じられる。それもある意味青春かも。どの篇も終わり方に解放感があって、束縛されないミステリの楽しさを再確認できた。2020/12/06

ひさか

122
2014年から2019年までに中国の雑誌などで発表された連続体仮説、フェルマー最後の事件、不動点定理、に書き下ろしのグランディ級数を加えて、2019年4月中国で出版。翻訳して2020年12月ハヤカワミステリ文庫刊。タイトル通りの少女達が作中ミステリをややこしく楽しく面白く考察するお話。少女達の会話としぐさにある華の部分と会話内容にある面倒な考えに翻弄されてしまいます。面白く不思議で、ちょっとついて行けないような世界でした。2021/02/23

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