ハヤカワ文庫NF<br> 〈脳と文明〉の暗号 言語と音楽、驚異の起源

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ハヤカワ文庫NF
〈脳と文明〉の暗号 言語と音楽、驚異の起源

  • 著者名:マーク・チャンギージー【著】/中山宥【訳】
  • 価格 ¥1,232(本体¥1,120)
  • 早川書房(2020/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 330pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784150505660

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内容説明

1万にのぼるクラシック音楽の主題旋律を分析して浮かび上がった驚くべき事実――音楽は人間の歩行を模倣している! 音量はその人物との距離、拍子は足音、メロディーの起伏は動作音に生じるドップラー効果。さらに、私たちの話し言葉にも自然界の痕跡が……。サルはいかにして文明を獲得し、ヒトへと進化したのか。『ヒトの目、驚異の進化』の理論神経科学者が、聴覚系を糸口に人類史上最大の謎を解く。解説/伊藤亜紗

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

125
言葉や音楽など、本能で操っているとしか思えないほど精密な装置を、なぜ人間は持っているのか。人間周辺の物理現象をとらえるために特化した本能に合わせて言葉や音楽を発明したという主張。子音+母音の発音は多いのに、母音+子音の発音は少ない。これはぶつかって滑るという現象が滑ってぶつかるよりずっと多いことに対応していた。こういった自然現象と言葉、音楽との関連を突き止めていく。知的興奮間違いなし。ピンカーの言語生得説を読んだ事のある人は必見。2024/03/29

zoe

21
目が赤と緑に敏感なのは、皮膚の下の血の状態を見極めるため。音は、動き。耳に届くドップラー効果を分析し、周囲の動きを感知することで、進化したのでは。音の大きさは、近さ。ぶつかった後に、滑り音が来る。自然の力を利用する。2021/10/21

Bartleby

20
言語や音楽は、脳にそなわる認知能力を利用しながら進化したというのが著者の仮説。音楽は人間のたてる動作音やドップラー効果をその土台にもつ、という仮説を展開するのが本書だ。ドップラー効果とメロディとの類比関係は面白かったが、人間の動作やリズムと音高の関係は当たり前すぎる内容でちょっと拍子抜け。あれだけのデータを集めて示す必要があったのか。もっとも、自分が何が読み落としている可能性もあるけどたぶん違う。ともあれ、語り口がユーモラスでそこは楽しく読めた。2023/04/28

takka@乱読

15
「なぜ脳は話し言葉や音楽を理解することができるのか」。原題の「Herness=自然の力を利用する」のとおり、自然から援用して発達させたのではないかと著者は述べている。確かに拍子=リズムは足音、音高=ピッチはドップラー効果など説明のつくものが多い。日本語だと多様なオノマトペは自然の音から言語に援用している例ではないだろうか。自然を意識すると音楽が作れるという単純なものではないが、意識するとまた違った聴き方ができる。「音楽は人間の動作音」ということを意識すると「なぜ音ゲーは楽しいのか」にもつながりそう。2024/04/12

harukawani

8
ヒトの視覚の驚嘆すべき能力についての仮説で鳥肌が立つような知的興奮を味わわせてくれた『ヒトの目、驚異の進化』の作者が、ヒトの”聴覚”に挑んだ今作。『目』ほどの衝撃が無いのは、やはり聴覚より視覚の方が”分かりやすい”からか。文字(視覚)や話し言葉(聴覚)は、人間が進化の過程で獲得した能力ではない。元々あった脳の機能を転用したにすぎず、文字も話し言葉も音楽も、自然を模倣したものだと作者は言う。そして積み上げられていく数々の証拠。『目』がどんでん返しミステリなら、今作は地道な捜査を描く警察小説か。→2020/12/08

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