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内容説明
奴隷制が始まって以来、黒人は白人による差別や迫害に常に遭ってきた。奴隷船やプランテーションでの非人間的な扱いを生き延び、解放され自由民になっても、「約束の地」である北部に逃れても、彼らが人種差別から解放されることはなかった。400年にわたり黒人の生活と命を脅かしつづけてきた差別と、地下鉄道、公民権運動、そしてブラック・ライブズ・マター(BLM)に至る「たたかい」の歴史を、アメリカ南部出身の著者が解説する。
目次
はじめに
第1章 アフリカの自由民からアメリカの奴隷へ
最初のヨーロッパ人とアフリカ人の遭遇
アフリカの中の奴隷制度
ヨーロッパ・アフリカ・アメリカ──「三角貿易」の始まり
捕獲から奴隷砦まで
「中間航路」の「船荷」
奴隷船での抵抗
オラウダー・エクイアノ
奴隷市場
初期の奴隷としての生活
第2章 奴隷としての生活
奴隷の始まり
綿花王を生んだコットン・ジン
プランテーションでの生活
奴隷たちの娯楽
民話に隠されたメッセージ
農地外での生活
自由な黒人
宗教的な信条
キリスト教と聖書の受容
結婚と家族
奴隷の抵抗のかたち
脱走による抵抗
逃亡奴隷
マルーン
地下鉄道
「約束の地」に到着して
一八五〇年──逃亡奴隷法
アンクル・トムの小屋
奴隷解放への模索
人種と肌の色の複雑な階層関係
同居による複雑な関係
第3章 南北戦争と再建──一八六一~一八七七
南北の格差
脱退への道
勝利の公算
脱退と南部連合
名ばかりの奴隷解放
南北両軍での黒人の役割
戦争の結末
解放民局と「四〇エーカーとラバ一頭」
再建のステージ
「借地人」と「小作人」
KKK設立される
教育と自決に対する欲求
自由獲得のための教育
「スピリチュアル」の誕生
奴隷解放がもたらしたさまざまな果実
移動の新しいかたち
南部再建の結果
第4章 「ジム・クロウ」とその時代──一八七七~一九四〇
法的逆戻り
ジム・クロウの法的影響
黒人に科せられたタブー
「科学的」人種論
ジム・クロウの執行
一八八〇年代から一九二〇年代のリンチ
教育面での削減
浮浪、賃貸囚人、新奴隷制度
パーチマン農場
プレッシー対ファーガソン訴訟
ブッカー・T・ワシントン
W・E・B・デュボイス
南部を後にして
「大移動」の第一波
大恐慌
「大移動」にともなう経済的向上
マーカス・ガーヴィーと「アフリカへの帰還」
ハーレム・ルネッサンス
一九三〇年代の連邦作家プロジェクト
第5章 第二の「大移動」から公民権運動まで──一九四〇~一九六八
世の中は変わる
第二の「大移動」
第二次世界大戦での兵役
終戦直後の変化
公民権運動に火をつけた二つの事件
公民権運動とブラックパワー運動
運動の始まり
一歩前へ
戦略としての座り込み抗議
フリーダム・ライダーズ
特別な年──一九六三年
ワシントン大行進
KKK再び(一九六四年)
一九六五年、南部
マルコムⅩ
たいまつを運ぶ
都心暴動の衝撃
一九六八年四月四日──キング牧師暗殺
第6章 公民権運動後からオバマ政権まで──一九六八~二〇一七
一九六八年──公民権運動の後
「でかい声で言ってみろ──おれは黒人で、誇らしい」
一九七〇年代──時代は変わる
雇用と住居
カーター大統領の四年間
レーガン大統領の時代
アファーマティブ・アクションへの反発
薬物との闘い
ロサンゼルス暴動
歪んだ刑事司法システム
世紀の転換期
オバマ大統領の八年間
第7章 アメリカ黒人の現在と未来
ジョージ・フロイド事件とBLM運動
シャーロッツビルの悲劇
「栄誉」のシンボル
アスリートたちによる抗議活動
白人優位性のかげり
今、アメリカで黒人として生きること
選挙における差別
教育における差別
住居をめぐる差別
「世代的な富」の欠如
レイシズムとは何か
人種的アイデンティティ
賠償問題
「ブラック・ライブズ・マター」の意味
これから
関連年表
参考文献
感想・レビュー
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