文春文庫<br> 血と炎の京 私本・応仁の乱

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文春文庫
血と炎の京 私本・応仁の乱

  • 著者名:朝松健【著】
  • 価格 ¥950(本体¥864)
  • 文藝春秋(2020/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167916114

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内容説明

行間から血の匂いが立ち上ってくるかのような迫力。
応仁の乱を描いた小説中の最高峰だ。――田中芳樹

応仁の乱――それは地獄の戦さだった。
かつて栄華を誇った都は燃え落ち、縦横に走る塹壕に切り刻まれ、泥と屍に覆いつくされた。
連なる屋敷は高い土壁に守られて砦と化して、中枢は地下の壕内に設けられた。
日が沈めば夜襲が行なわれ、矢が飛び交い、兵どもは無造作に殺されてゆく。
そこにあったのはあたかも近代戦争のごとき総力戦、終わりの見えぬ中で人間がひたすら消費されてゆく戦だった。

行軍中に東軍・細川勝元が拾った瀕死の男。
額に「犬」の文字の刻まれた男は、西軍の山名宗全に虐殺された集落の生き残りだった。
男は宗全への憎悪を胸に、地獄の戦場に血路を切り開く。
しかし敵方には中国渡りの最新兵器たる投石器を駆使する軍師がおり、苦戦を強いられる。
一方、この大戦さの中にあって、これを収拾しようという姿勢もみせぬ将軍・足利義政の妻・日野富子は、
渇いた心の救いを希い、戦火のなかを蓮如に面会すべく動き出そうとしていた。

京を灰燼に帰した応仁の乱とはいかなる戦争であったのか。
その血みどろの風景を壮絶に描きつくす書き下ろし歴史伝奇小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

眠る山猫屋

49
立川流も逆宇宙も出てこない。出てくるのは『室町無頼』にも描かれた骨皮道賢。魔物も魔人も出てこない。物語は細川勝元と山名宗全による“いくさ”が“戦争”に変えられていく様だ。大量殺戮兵器が導入され、武士の戦が様変りしていく。血に塗れ泥に汚れ這いずり回る地獄のような京に復讐は叶うのか。歴史的にはあまり深掘りされていない時代なので興味は尽きない。足利幕府の施政は天皇禁忌の時代だからね。日野富子の心の徘徊を微かな横軸に、道賢の我武者羅な闘いを主軸に進む物語は不思議と爽やかだ。道賢の死に様と復活劇は、やはり熱い。2021/01/11

サケ太

23
応仁の乱、と呼ばれる争乱の最中にあって、山名宗全への復讐を望む男。琵琶湖の湖族であった男は、かつての名を捨てて、骨皮道賢を名乗る。彼の知らない、戦の様相。地獄と化した京。頼れる仲間たち。西軍の新兵器、霹靂車。東軍の井楼。兵器同士の争いは壮大。血戦の後の決着。想いは、名は、引き継がれる。そして、戦は続く。戦の世を生き抜いていくしかない。2020/12/28

鍵ちゃん

18
日本史上最悪の戦乱、応仁の乱。それはただの戦さではなく、花の都を縦横に走る塹壕で切り刻み、屍で埋め尽くした地獄だった。血と炎の中、救済を求めて彷徨う将軍の妻・日野富子と、宿敵・山名宗全への復習のため戦場を這いずる男・骨皮道賢。応仁の乱自体があまり知らないせいか、先入観なしで読めました。原因は跡目争いだが、最後はなんだかなという感じだったんだな。表現が迫力があり想像絶するところがあるが、あまりにもドロドロし過ぎる。最後の蓮如からの説教が一服の清涼感があり、富子の心の臓を突く鋭さがあった。2021/08/19

yomomo

9
応仁の乱、細川勝元に救われ東軍の足軽として戦う骨皮道賢の話。2023/10/24

keisuke

6
寝かせてしまったけど面白かった。2021/02/12

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