内容説明
赤穂浪士・大石内蔵助の妻、りく。
忠臣として語り続けられる大石内蔵助ではなく、その妻にスポットライトを当てた、影の「忠臣蔵」。
討ち入り後、りくは遺児となった大三郎とともに生きるが、その生涯は哀しいものだった。赤穂に嫁ぎ、夫を支え、そして夫亡き後は忠臣たちの遺族のもとをまわるなど、最期まで武士の妻であった。そんなりくの人生を平岩弓枝が鮮やかに描き出した傑作長編。涙なくしては読めません。
第25回吉川英治文学賞受賞作。
※この電子書籍は1990年に新潮社より刊行され、文藝春秋より2020年12月に刊行した文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
元気伊勢子
6
平岩氏の細やかで美しく、優しさと細やかさに溢れた文章がとても素晴らしく、一気に読んだ。りくは、夫亡き後、子供達を立派に育てなくてはと奮闘する。優秀な両親と兄のプレッシャーに押し潰されて、酒浸りになる大三郎が気の毒だった。2022/01/15
うさみみ
4
大石内蔵助の妻、りくのお話。 お嫁に来て、いろいろありながらも穏やかに暮らしていたが、殿である浅野内匠頭が刃傷沙汰。それ以降混乱に巻き込まれていく。という内容。 長男の主税が討ち入りに参加するあたりは涙なしでは読めません!我が家にも15歳の息子がいるので、重ねてしまいました(涙)読むのが辛かったです。 (歴史通の息子に話したら、「それ、昔なら当たり前だからww今とは価値観が違うのwww」と鼻で笑われましたが。。) せっかく生き残り再び武士になれたのに、やさぐれている大三郎も切ない…。 2021/02/18