内容説明
生物は幾度もの大量絶滅を経験し、スノーボールアースや酸素濃度といった地球環境の劇的な変化に適応することで進化しつづけてきた。宇宙生物学と地球生物学が解き明かす、まったく新しい生命の歴史!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
72
地球史、古生物学は、つねに塗りかえられていることを改めて感じ入った。分厚さの中に、驚くような知見があふれ、読み通すまでに、ものすごく時間がかかった。21世紀に入ってから判明した事実には目のウロコが落ちる。前世紀に出た本など、歴史的文献になってしまいそうだ。私の好きなエディアカラ生物(笑)が、どうして化石として残ったのか。その理由から当時の環境を復元できることに恐れいる。もっとも興味深いのは、生物がどうやって無生物から生まれたか。本書を読むと、ミラーの実験やオパーリンの仮説が実に素朴だと感じられるはず。2020/05/15
シタン
24
この世で一番面白い歴史は生命史だと思っている。マルチメディアこどもずかんの恐竜編を遊び尽くした少年時代は宝物(宇宙編も)。科学の醍醐味の一つは更新性にあり。過去に得た知識はすぐ古くなるし、2015年に書かれたこの本の内容も既に古い可能性あり。その一方で、たとえ間違っていても文学として読み継がれるべき書物が存在してしまうのは何故なのか。本書でも言及があるワンダフルライフなど。残念ながら本書はそれには当てはならないと思われる。キーワードはスノーボールアース、酸素濃度、パンスペルミア説(ゼノギアス好き必見!)。2020/10/29
らむだ
10
46億年前から現在までの壮大な地球史・生命史を様々な研究分野の成果から辿り、生命の起源と進化の謎を探った1冊。難しい話題もあるなかで初学者にも読みやすい構成・内容になっている。2025/05/29
ダージリン
5
大量絶滅イベントを経て、生物がどのように進化していったかを描き出す。この分野はあまり知識がないが、新しい学説がふんだんに盛り込まれているらしく、グイグイ引き込まれた。地球史の中で、酸素濃度、二酸化炭素濃度の変化、隕石の落下などにより、気温や環境の大激変が幾度も起こる。メタンや、硫化水素なども生命の歴史には大きく影響した。大量絶滅と同時に、環境に適応して進化し、逞しく生き抜いてきた生命に感嘆する。人間が主役に躍り出たのも偶然にすぎないように思える。隕石が落ちずに恐竜が滅びなければどんな世界になっていたのか。2025/10/28
でろり~ん
5
とても興味深く読みました。好い一冊。そですよね、生きていくうえで当然考慮しなければいけない環境ってものに、こういう形で言及した本に初めて出合った感じです。でもあれだ、タイトルの邦訳の「なぜ」はどこにも無いですね。ただNEW HISTORYなんだから当たり前なんでしょうけれど。ウマイ訳だとは思いますが、してやられた感じもします。解りやすく、といいながら、こういう文章を訳すのは難しいんでしょう、とは思いながら、日本語的に文意が不明な個所もありました。ま、読む側の頭のレベルといわれればそれまでなんですけれどね。2020/05/19
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