内容説明
文化進化というアプローチは当然に生物進化のアナロジーである。文化の継承とその過程での変異の蓄積という進化的な視点が役に立つのだ。そして考古学という営みもまた、文化進化の対象である。日本考古学が有する膨大なデータを様々な角度から考察し、数理的手法を用いてデータに基づく文化の歴史科学を構築するための基盤を提供する。
目次
はじめに[中尾央・松木武彦]
第1章 現代的な文化進化の理論[井原泰雄]
1-1 文化進化
1-2 中立的な文化進化
1-3 適応的な文化進化
1-4 結論
第2章 遠賀川式土器の楕円フーリエ解析[田村光平・有松唯・山口雄治・松本直子]
2-1 土器の文化進化研究
2-2 弥生時代のはじまりと遠賀川式土器
2-3 解析手法
2-4 解析結果と考察
第3章 幾何学的形態測定学による前方後円墳の墳丘形態の定量的解析[田村光平・松木武彦]
3-1 前方後円墳の文化進化
3-2 方法と分析
3-3 数理的アプローチによる古墳研究の今後
第4章 戦争と人類進化─受傷人骨の視点から[中川朋美・中尾央]
4-1 戦争と進化
4-2 縄文時代における戦争
4-3 弥生時代における戦争
4-4 ヨーロッパ中石器時代における戦争
4-5 戦争と人類進化─戦争の(歴史的)原因の究明に向けて
第5章 考古学は進化学から何を学んだか?[三中信宏]
5-1 文化系統学曼荼羅再訪─ロジックとグラフィックのはざまで
5-2 バシュフォード-ディーンの考古学的系統ダイアグラム
5-3 オスカル-モンテリウスの型式学と比較形態学
5-4 文化構築物形態の数理と統計学─もう一つの並行性
5-5 普遍的な文化体系学をめざして
おわりに[中尾央]
補遺 幾何学的形態測定学とRを使った解析例[野下浩司・田村光平]
索引
執筆者紹介
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月をみるもの
mim42
遊動する旧石器人
Junpei Ishii
うさを