社会福祉学は「社会」をどう捉えてきたのか - ソーシャルワークのグローバル定義における専門職像

個数:1
紙書籍版価格
¥3,300
  • 電子書籍

社会福祉学は「社会」をどう捉えてきたのか - ソーシャルワークのグローバル定義における専門職像

  • 著者名:三島亜紀子
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 勁草書房(2020/12発売)
  • ポイント 30pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326700998

ファイル: /

内容説明

2014年改定の「ソーシャルワークのグローバル定義」が示す専門職像とは。新たに盛り込まれた「地域・民族固有の知」「社会的結束」「多様性」の3つの概念をキーに、現在のソーシャルワークの専門職像に迫るとともに、社会学分野における〈社会的なるもの〉をめぐる議論を参照しつつ、社会福祉学における〈社会〉という概念の内実を問う。

目次

はじめに

序 章 社会福祉学は「社会」をどう捉えてきたのか
 「社会的な」社会学と社会福祉学
 「社会的なもの」とは何か
 日本の「社会的なもの」の「社会福祉学的歪曲」
 各章の概要

第一章 ソーシャルワークの知のあり方の変化と「在来知(indigenous knowledge)」
 第一節 ソーシャルワークを定義すること
 第二節 ソーシャルワークの知
 第三節 さまざまな学問領域におけるindigenous knowledge(在来知)
 第四節 日本の福祉にまつわる在来知
 第五節 ソーシャルワーカーが反省すべきこと

第二章 植民地主義とソーシャルワーク
 第一節 植民者に位置付けられたソーシャルワーカー
 第二節 ソーシャルワーク萌芽期にみる植民地主義
 第三節 この世の暗黒を「発見」した者

第三章 他者の起源――貧困救済と動物愛護の接点
 第一節 大正期のソーシャルワーカーによる動物愛護運動
 第二節 リスクとソーシャルワークと動物愛護
 第三節 動物愛護運動と方面委員制度を貫く社会ダーウィニズム

第四章 多様性を讃えること
 第一節 多様性という概念
 第二節 社会福祉教育領域における多様性の定義
 第三節 「隠れたカリキュラム」と多様性の尊重

第五章 リスクと寛容さと「社会的結束(social cohesion)」
 第一節 社会的結束とは何か
 第二節 多様性の尊重と社会的結束のバランス
 第三節 リスクとソーシャルワーク

第六章 ソーシャルワークの「現地化(indigenization)」再考――ソーシャルワークのグローバル定義にある重層モデル
 第一節 社会・政治・文化に合わせたソーシャルワーク
 第二節 二〇世紀初頭の日本のソーシャルワークの現地化
 第三節 古代の権力装置に起源がある「参加」

終章 アンペイド・パブリック・ワークへの動機付けとその逆機能

おわりに
参考文献
人名索引
事項索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

26
ソーシャルワークの2014年のグローバル定義を考察する中で、社会福祉学における「社会」とは何かを考察した内容です。定義では在来知が強調され西洋的価値観への偏りに批判があることが示されます。また過去の植民地主義への自己批判の視点もあることが示されています。また多様性や社会的結束などの概念があることも示されていました。同時に「自助、互助、共助」が強調される日本の社会福祉のなかで「社会的」なるものとは何かも考察されていました。またアンペイド・パブリック・ワークと福祉専門職の問題についても考えることができました。2018/02/12

スミレ雲

7
グローバル定義をもとにした解説本。社会変革、社会開発、社会結束、動機付け、自由。社会正義、人権、多様性、現地性など、いろんなキーワードを掘り下げていく。包括的に、ミクロからマクロまで、多角的に、多元的に、展開されていて。社会的動物としての人間が社会で生きていく存在。personに寄り添い、地域で暮らし、institutionsを活用する。自分勝手にならず自由に生きていけるために、どんなことができて、何が必要か、足りないものは?2018/02/12

YASU

0
”社会”の定義さえはっきりせず(”世間”のほうが通りがいい)福祉といえば慈善か奉仕と思われがちな日本で,ソーシャルワークのグローバル定義などほとんどの人になじみがないが,これを日本土着の価値との関連で詳細に分析して見せている.そしてその表と裏(効能と弊害)の説明もわかりやすい.筆者は前著で,ソーシャルワークの科学性にしがみつく専門家たちを批判したが,その続編ともいえるだろう.2020/01/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12144510
  • ご注意事項

最近チェックした商品