転げ落ちない社会 - 困窮と孤立をふせぐ制度戦略

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転げ落ちない社会 - 困窮と孤立をふせぐ制度戦略

  • 著者名:宮本太郎
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
  • 勁草書房(2020/12発売)
  • ポイント 25pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326654123

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内容説明

貧困については、原因とその対処法、子ども・高齢者・非正規(特にシングルマザー)の貧困の実態、生活保護制度と社会保障制度の境界を探る。格差については、教育・所得・雇用・社会保障・住宅の格差の実態とその是正策を探る。さらに貧困解消と格差解消は同時並行的に行えるのか、優先順位はあるのか。これらの課題に社会福祉・社会保障の専門家が大胆に提案する。

目次

まえがき

序章 困窮と孤立をふせぐのはいかなる制度か?[宮本太郎]
 1 福祉国家は困窮をどうふせいできたか
 2 日本型生活保障の解体と困窮問題
 3 困窮と孤立に抗するために
 4 むすびにかえて
 参考文献

第1章 標準家族モデルの転換とジェンダー平等──父子世帯にみる子育てと労働をめぐって[湯澤直美]
 1 はじめに
 2 家族形態の変容とひとり親世帯の趨勢
 3 父子世帯の現代的動向
 4 シングルファーザーの労働と子育てが照射する世界──インタビューからの考察
 5 家族の制度化とジェンダー構造
 6 おわりに──「男と親の間」をいかに越境するか
 参考文献

第2章 新しい居住のかたちと政策展開[白川泰之]
 1 問題の背景
 2 すすむ居住の貧困化
 3 「第三領域」の設定
 4 「第三領域」の可能性──実践から見えてきたもの
 5 第三領域を実現するために──提言
 6 おわりに
 参考文献

第3章 住宅とコミュニティの関係を編み直す[祐成保志]
 1 住宅政策における選別主義
 2 公営住宅団地に暮らす
 3 支え合いの持続可能性
 4 日本型ハウジング・レジームの特質
 5 日本型ハウジング・レジームの源流
 6 おわりに──住宅政策における普遍主義
 参考文献

第4章 相談支援を利用して「働く」「働き続ける」──中間的なワーク・スタイルの可能性と課題[西岡正次]
 1 はじめに
 2 「働く」「働き続ける」を支える仕組みの不全感
 3 就労の相談・支援を利用する
 4 「働く」「働き続ける」を阻む困難は何か
 5 就労支援の地域政策
 6 おわりに
 参考文献

第5章 支え合いへの財政戦略──ニーズを満たし、財源制約を克服する[高端正幸]
 1 崩れる社会、行き詰まる財政
 2 財政赤字と租税抵抗
 3 財政をつうじた「支え合い」の社会的基礎
 4 「支え合い」と「負担の分ち合い」を無効化してきた日本
 5 支え合い、負担を分ち合うために
 6 おわりに
 参考文献

第6章 子どもの貧困と子育て支援[柴田悠]
 1 「子どもの貧困」の実態
 2 「子どもの貧困」がもたらす問題
 3 どういう政策が必要か
 4 国内経済や出生率へのメリット
 5 おわりに──もっと政策研究を
 参考文献

第7章 若者の未来を支える教育と雇用──奨学金問題を通じて[花井圭子]
 1 はじめに
 2 公的奨学金制度の現状と問題
 3 奨学金問題の背景
 4 高等学校、大学(学部)の概況と進学、大学中退の状況
 5 教育がもたらす効果(便益)
 6 わが国の公財政支出の低さと、それを支える意識
 7 若者の未来を支える基盤である教育の機会均等と安定雇用をめざして
 8 おわりに
 参考文献・資料

第8章 脱貧困の年金保障──基礎年金改革と最低保障[鎮目真人]
 1 はじめに
 2 年金の財政方式と貧困
 3 年金制度改革の類型──縮減改革類型と給付改善改革類型
 4 貧困対策と基礎年金の改革
 5 脱貧困に向けた年金改革のオプション
 6 おわりに
 参考文献

第9章 高齢期に貧困に陥らないための新戦略[藤森克彦]
 1 はじめに
 2 高齢者の貧困の実態──高齢単身世帯を中心に
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

29
格差と貧困が深刻化している。どうすれば貧困に転げ落ちない社会の仕組みをつくれるのか。現状と課題を示しつつ、方向性を探っている。財源論に迷いが見られるが、学ぶ点は多かった。2019/11/18

Mc6ρ助

7
官僚が無為であったわけではないし、学者が現状を正しく認識しているであろうことはよく分かった。しかしながら、今さら、『男女雇用機会均等法ができた1985年当時から求められてきた「男女ともに仕事と家庭責任を担う社会」、「男女共 同参画社会」「ワーク・ライフ・バランス社会」は未だ実現していない。超少子・高齢、人囗減少が 進展するなかで、政府が早急に取り組むべき課題であると考える。(p234)』とは我々は30年間を失ったとしか思えない。2018/03/23

takao

2
ふむ2023/06/11

mambo_no5

0
これからの社会保障のあり方について、住宅、就労、財政、教育などの視点からの議論をまとめた論文集。各章の内容が非常に濃く読み応えがあった。終章の鼎談で「自立は連帯に根ざしているもの」とあり、行きすぎた個人主義を転換し、連帯意識を高める政策の必要性を感じた。2018/02/12

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