利き脳論

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¥2,970
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利き脳論

  • 著者名:坂野登
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 勁草書房(2020/12発売)
  • ポイント 27pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326299263

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内容説明

誰でも自分独自の利き脳をもち、それをうまく使うことで能力を発揮できる――こうした単純な理解を超え、感情から認知へという進化の道筋の中に、人に共通した利き脳や個人に特有な利き脳、そして状況に応じて使い分けられる利き脳を位置づける。これまで比喩的に捉えられてきた概念に科学的な裏付けを与える、著者渾身の集大成。

目次

序 章 利き脳とは一体何だろう

利き脳論の展開

第一章 利き脳論の始まり
 1 利き脳の考えは一九世紀に始まった
 2 こころを切り替える不思議な女性
 3 脳のモードとこころのモード

第二章 感情の戦略の違いから利き脳が生まれた
 1 感情はとっさの戦略である
 2 感情は分化して左右の半球と結びついた
 3 利き脳は対処の戦略の違いから生まれた

第三章 感情と認知の利き脳は前頭葉にある
 1 感情モードは前頭葉と結びついている
 2 不安が認知と感情を結びつける
 3 感情と認知は前頭葉で一つになる

第四章 欲求に応えるための左脳の戦略
 1 ほしいお金は大きく見える
 2 左半球の戦略で見えの歪みが起きる
 3 うまく行くとボールは大きく見える

第五章 ことばと音楽は脳で結ばれている
 1 ことばのリズムは音楽に反映される
 2 左右の耳で感情を聴き分ける
 3 音楽経験は利き脳を変える

第六章 ことばの力は認知の世界を変える
 1 高い音は薄い音、低い音は厚い音
 2 ことばは色の識別力を変える
 3 感情やことばで時間の判断は影響される
 4 左脳との結びつきが重要である

利き脳論の検証

第七章 利き脳を実験室でつくり出す
 1 脳の左右差を実験に利用する
 2 課題を与えて注意をスイッチする
 3 共通モードを個人に特有な腕組みに切り替える
 4 戦略として脳を利用するという考え

第八章 腕組みは計画性と関係している
 1 人類学や遺伝学での研究
 2 指組みと腕組みの発達と知的活動
 3 腕組みと順序性の記憶と創造性

第九章 指組みは認知的指向と関係している
 1 指組みは腕組みとどう違うのだろうか
 2 指組みを図形テストで測る
 3 関心のあり方の個人差としての指組み

終わりに
文献と注
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

zikisuzuki

1
利き脳。貴方は右脳派左脳派?みたいな本だと思ったら、脳の部分的な役割について、様々な実験から明らかになって来た過程を解説した本だった。面白かったのは指を組んだ時左右どちらかの指が上になるかが、右脳、左脳の動きと関係もあるが民族的な分布の方が大きいということと、左利きの人は左右の神経反転の影響が少ないということだだった。2018/02/14

mkk

0
系列的処理に優れる左脳と、並列的処理に優れる右脳のどちらを利き脳として使用しているかは身体の動きにも表れる。その代表である腕組みや指組みに関して、右上群と左上群で言語流暢性や独創性、認知志向に差があることを、データを用いながら示しているのが興味深い。また、外の枠組みに影響されないような判断ができる場独立の人は実験心理学を、判断の際に外の枠組みに影響されやすい場依存の人は臨床心理学を選ぶ傾向があるというのは面白い話。この意思決定過程の違いは研究対象になるかも。2019/10/28

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