カントの政治哲学 - 自律・言論・移行

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カントの政治哲学 - 自律・言論・移行

  • 著者名:金慧
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  • 勁草書房(2020/12発売)
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  • ISBN:9784326102648

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内容説明

カントは自らに法を与えるという意味での政治的自律がどのような手続きや条件の下で実現されるのかを探究した。そして、政治的自律を実現する手段として言論の自由を重視した。個人間の意見の相違を前提とする言論の自由こそが政治的自律を促すのである。また、各国家の人民の政治的自律が「永遠平和」への移行を可能とするとした。

目次

はじめに
目次

第I部 カントの政治哲学

第一章 移行をめぐる三つの議論
 1 法と自由──自然状態から法的状態へ
 2 政治的自律と言論の自由──専制から共和制へ
 3 国際社会の秩序化構想──国際的な自然状態から法的状態へ

第二章 理性の公共的使用から公開性へ
 1 理性の公共的使用
 2 定言命法
 3 公開性

第三章 言論の自由と抵抗権
 1 言論の自由の位置づけ
 2 認識論における言論の自由──真理の試金石
 3 立法過程における言論の自由──理性の公共的使用
 4 権利侵害における言論の自由──権利の唯一の守護神
 5 抵抗権否認と言論の自由──言論と権力

第四章 政治的自律とその条件
 1 政治的自律と代表制
 2 政治的自律と幸福追求の「自由」
 3 投票権の経済的条件──受動市民という問題
 4 貧困と社会政策

第五章 世界市民法の構想
 1 世界市民の三つの用法
 2 世界市民法とは何か
 3 法的状態への移行と植民地主義

第II部 カントと現代

第六章 政治的判断とは何か──判断力と構想力をめぐるカントとアーレント
 1 構想力の総合
 2 図式機能と包摂
 3 再現前化としての構想力
 4 趣味判断における共通感覚
 5 アーレントの判断力論
 6 判断の一般的妥当性

第七章 みずからを尊重するということ──自己尊重をめぐるカントとロールズ
 1 尊敬──感情と義務
 2 自己尊重の二つの側面
 3 卑屈と高慢
 4 自己尊重と規範
 5 ロールズにおける自己尊重/自己評価

第八章 永遠平和と進歩の思想──国際社会の秩序構想をめぐるカントとハーバーマス
 1 ハーバーマスにおける国際法の立憲化と人権保障
 2 カントにおける介入の禁止と政治的自律
 3 多次元システムにおける正統化の欠損
 4 進歩の思想

おわりに
あとがき
文献表
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sk

6
カントがこれだけ面白い政治哲学を展開しているとは知らなかった。久しぶりに哲学らしい哲学を読んだ気分である。2018/02/21

すずき

1
網谷さんの「カントの政治哲学入門」に続いて購読。この順番でよかったと思う。網谷さんの本との違いで言えば、言論の自由についての記述、5章・8章の国際レベルでの政治哲学が展開されていてよい(正直アーレントとロールズの章はよくわからなかったのでまたの機会に読みたい)。SimmonsのKantian functionalism批判で出されているjust annexationとかはカントの国際レベルの政治哲学の政治的自律の話とかでしっかり返せると思うので、読んでよかった。2018/05/08

モンタニャールおじさん

0
第一部では、『啓蒙とは何か』、『理論と実践』、『永遠平和のために』、そして『法論の形而上学的定礎』を中心にしてカントの政治哲学の論理構造が解明される。中心概念は「政治的自律」であって、従来のカント研究よりも著しく民主主義的な政治哲学をカントの著作から見て取っている。そして第二部ではカントに着目した哲学者たち――アーレント、ロールズ、ハーバーマス――とカントを比較することを通じて、再びカント哲学の特質を解明することに努めている。近年の研究動向を踏まえたうえで、カント政治哲学の全体像を明らかにしている。2018/01/22

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