内容説明
本書は、核兵器の拡散に主に勢力均衡論の観点から肯定的立場をとるウォルツと、組織論の観点から否定的立場をとるセーガンによる、それぞれの主張と相手への反論をまとめたものである。理論的な論争から最近の核拡散の事例、そしてオバマの「核なき世界」演説をめぐる議論まで、核兵器の本質に迫る白熱の論争を余すことなく収録する。
目次
謝辞
序文
第1章 核保有国が増えるのはおそらく好都合[ケネス・ウォルツ]
1.自助システムの軍事的論理
2.核兵器拡散が何をもたらすのか
3.小規模な核戦力による抑止
4.新たな核保有国における軍拡競争
5.戦争の頻度と強度
6.結論
第2章 核保有国が増えるのは不都合[スコット・セーガン]
1.合理的抑止論と組織論の対比
2.移行期における予防戦争
3.利害,慣行,生存可能な戦力
4.組織,偶発事故,拡散
5.結論─組織の視点を加味すべし
第3章 ウォルツからセーガンへの反論[ケネス・ウォルツ]
1.はじめに
2.問題と危険
3.結論
第4章 セーガンからウォルツへの反論[スコット・セーガン]
1.相違する見解の由来
2.結論
3.理論に立ち返る
第5章 インドとパキスタンの核兵器─好都合か不都合か?[スコット・セーガン,ケネス・ウォルツ]
1.印パとカシミール
2.不都合─死が両者を分かつまで[スコット・セーガン]
3.好都合─核兵器は不完全な平和を維持する[ケネス・ウォルツ]
第6章 イラク,北朝鮮,イラン[スコット・セーガン,ケネス・ウォルツ(ミラ・ラップ=フーパーと共著)]
1.懸念には及ばない理由[ケネス・ウォルツ(ミラ・ラップ=フーパーと共著)]
2.懸念すべき理由[スコット・セーガン]
第7章 核廃絶は最良の選択肢か[スコット・セーガン,ケネス・ウォルツ]
1.肯定[スコット・セーガン]
2.否定[ケネス・ウォルツ]
3.セーガンによる反論
4.ウォルツによる反論
監訳者あとがき
原注
事項索引
人名索引
著者・訳者紹介
感想・レビュー
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BLACK無糖好き
takeshi3017
yasu7777