中公新書<br> アメリカの政党政治 建国から250年の軌跡

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中公新書
アメリカの政党政治 建国から250年の軌跡

  • 著者名:岡山裕【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 中央公論新社(2020/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121026118

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内容説明

アメリカの民主・共和の二大政党は、世界の中で極めて異質だ。両党は、地域の政党組織の連合体に過ぎず、党首、恒常的な綱領、党議拘束もない。他方で、地方政治家、政府高官、裁判官など隅々にまで浸透し、いずれかの党派であることが当然視される。両党は法によって優遇されてもいる。本書は、支持層・基盤を変えながら二大政党が制度化していく歴史を辿り、大統領を中心に語られてきたアメリカ政治の本質を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

83
政党の公職経験のないトランプ氏がなぜ共和党の大統領候補なのか、なぜ予備選挙の制度があるのかなど、何も知らない浅学の私には、本書はとても勉強になる。そもそも、建国時、政党は、政治の担い手として想定されず、むしろ共通善の実現を妨げる存在とされていたことに驚く。だから、二大政党は、テントのように、内部の規律が弱く内外の垣根が低いという柔構造の良さを保ってきたのに、1970年代以降、共和党が保守、民主党がリベラルという分極化が進み、現代の社会の分断に繋がる。250年の軌跡の到達点が、とても危ういものに思えてくる。2021/05/24

HANA

71
アメリカ政治の最大の特徴となっている二大政党制。その発生から現在までの歴史を辿った一冊。今まで党の規律が妙に緩いなと感じたり、現在だと民主党がリベラル、共和党が保守という立場になっているがリンカーンって共和党だよな、とか様々な疑問があったが、それらに全て答えてくれる。本書によると政党は割と緩やかな集まりで様々な立場の者をその中に包括するというイメージであるが、現在の目から見ると民主党の方は割と先鋭化してリベラル以外は排除されそうな勢い。この先どうなるかわからないアメリカ政治を理解する上で貴重な一冊でした。2021/07/08

skunk_c

57
大統領選の雌雄が決してから読んだが、テントに例えるアメリカ政党の柔構造と、近年のイデオロギー的分極化がその柔構造の中でどのように機能し、アメリカ政治に反映しているかについて、かなり詳細に分析していて面白かった。オバマとトランプの類似性は、リベラルと保守というイデオロギーの仮面を取り除かなければ気付かないテーマで、目から鱗。同じ2大政党制でも、イギリスのそれとは全く成り立ちから歴史が違うこともよく理解できた。簡便なアメリカ政治史の概説書としても十分読める。ただし著者も認めるように粗密がある点には注意が必要。2020/11/18

coolflat

23
ⅳ頁。米国の政党。他国と違う三つの点。第一に、民主党も共和党もそれぞれが州を始めとする地域単位の政党組織の連合体であり、単一の組織とは言い難い。第二に、各地の政党組織にしても連邦議会や州議会の各議院で当初族議員が作る組織にしても、その執行部は強制力を伴う指示を出せないことの方が多い。第三に、政党の内外の境目もはっきりしない。そもそも誰が党の構成員なのかについて明確なルールが存在しない。ここから他国の政党と比べて米国の二大政党が極めてまとまりの弱い柔構造をとることがわかる。党が一丸となって動くことはまずない2024/02/23

MUNEKAZ

22
学校で南部が民主党、リンカンが共和党と習ったときは、現在の民主党と共和党のイメージと真逆なことに驚いたが、その疑問に答えてくれるような一冊。党首もいなければ党議拘束もない、著者が「柔構造」と分析する非常にゆるいアメリカの政党の実態に驚かされる。自民党の「改憲」、共産党の「革命」のような核となるものが希薄なので、支持者や利益団体の影響が大きく、そのため支持層がごっそり入れ替わるという事態も生じるのであろう。トランプが台頭したのも、この柔構造のため。日本の政党と比べて雑語りする前に、読んでおくべき一冊である。2022/04/16

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