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内容説明
ナビンダー・シン・サラオ、通常ナブ。36歳・男性。
両親と一緒にロンドン郊外の小さな家に住み、子ども部屋に設置した
古いコンピュータを使って株の取り引きをしていた。
酒もタバコもやらず、質素な生活を送るこの男が
莫大な富を蓄え、世界の金融システムを崩壊させた──!?
元ブルームバーグ記者が5年の綿密な取材で明らかにした、衝撃の犯人像。
これは、優れた頭脳を持ち、金融システムを補強する「配管」を理解し、規制当局が居眠り運転をしている間に平凡な投資家たちから数十億ドルをかすめ取る、新たな金融エリートが出現した物語だ。
これは、業界が自動化されてロボットが人間に取って代わり、人間が大きな代償を払った物語である。
そして、一人の男が自分に配られたカードを受け入れず、巨大な権威に戦いを挑んだ物語なのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
四ツ谷
4
なんてスリリングな「ラノベ調辣腕デイトレ日記」とでもいうべきドキュメンタリーなんだろう。インド系イギリス人のナブによる2010年のフラッシュ・クラッシュの軌跡が描かれている。楽しむには先物の基本とスプーフィングなどの注文方式やアルゴリズムの種類を事前に知っておく必要があるかも知れない。普通は注文の先頭に並ぶためにアルゴリズムが蔓延るがナブは常に注文の後ろに並ぶようにプログラムされていた発注方式を駆使した。戸建ての寝室から決して約定しない注文で市場(S&P500Eミニ)の価格を操作できるなんて…(ヽ´ω`)2020/12/27
mm71
2
2010年のフラッシュクラッシュを引き起こしたのは、ロンドン在住の一人トレーダーだった。高速取引でもヘッジファンドでもない実家暮らしの個人が起こしたという、まさに事実は小説より奇なりというノンフィクション。2021/02/06
dokulogue1
2
図書館本。フラッシュクラッシュという言葉自体が古く感じてしまうが、一連の流れが面白く感じられた。読んでいると、アルゴリズムと呼ばれるコンピュータを使った取引が良いのか悪いのかということがわからなくなる。ルールに従うのは当然なのだが、そのルール自体がどうなのかということを考えたりもする。新しい技術も、取り締まることもとてつもない難易度なのだろう。2021/01/23
tekka
1
「『今やアメリカの証券市場には、金でなくスピードを条件として、持つ者と持たざる者の階級構造ができた』とルイスは述べている。『持つ者は十億分の一秒のために金を払い、持たざる者は十億分の一秒に価値があることすら知らない。持つ者は市場の完璧な景色を堪能し、持たざる者は市場を見ることすらできない』」2021/04/22
Yukiyoshi Sato
0
2482023/01/07