内容説明
障がい、コンプレックス、人生の壁……あなただったらどう向き合いますか?
車いすで生活をするYouTuberでギャルの渋谷真子。
自然あふれる山形県の山奥、茅葺き屋根の家に暮らし、元マタギとして狩猟もしていた。 その暮らしぶりから、『現代のもののけ姫Maco』というチャンネルのYouTubeを発信している。
2018年7月に屋根からの落下事故で、脊髄損傷によって下半身が麻痺してしまった。
しかし彼女は
「じぶんの不注意で障がいを負ってしまったから仕方ない」
「海外旅行にも行きたいし、また狩猟もしたい」
「セックスができてまた女性として自信を持てた」
「おしゃれをしているときこそ、“してやった感がある」
と、とにかく前向きで、明るい。
毎日の生活から楽しさを失わない。
屋根からの落下時、救急車が来るまでの間なんて、スマホで記念の自撮りを撮っていた。
いったいどういう心の構造になっているのか。
その前向きなマインドのなかを、すこしでものぞいてみたい。
人からどう思われているか気になってしまう、人生の壁にぶちあたっている、欠点やコンプレックスに悩み、自信をなくしている人。そんな多くの人の気持ちを、車いすで彼女は押してくれる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
paluko
10
最近、乙武洋匡さんのYouTube動画を見ていて、そこからの連想で気になって手に取った一冊。山形県で茅葺き職人をしていて、村の生態系を守るために猟銃免許も持つ、バイタリティ溢れる著者は、屋根上で仕事をしていたある日、墜落して脊髄を損傷する。落下してはまった池から引き上げてもらって、まずしたことが拾ってもらったスマホでの「自撮り」、そして救急隊員に向かって発した「これって動けなくなる系ですかね?」という台詞。手術を前に軟骨ピアスを外しジェルネイルをはがすのに思わぬ苦労、小説では届かぬリアリティ。2021/05/26
れい
5
【図書館】たまたま見つけた本なのだけど、普通に生きることを楽しんでやりたいことにチャレンジしている姿はやっぱりすごいなぁと感じました。人見知りだと何度か書いているけど、行動力もしっかりあって、本当に人見知りなの?って思う。赤裸々な告白にオープンな人だなぁって感じる。障害があっても大丈夫って思わせてくれる。2021/11/24
ぽん
1
事故に遭った直後から自撮りしてたとか、著者のパーソナリティが楽しく伝わってくる。性のことなど、普通だったらあまり語られない(けど大事な)話題についても、まっすぐ取り上げている。もっと日記風というか、記録的な本かと思っていたけれど、むしろ著者の価値観が全面に出ている本だった。画一的なイメージから離れ、こういう障害者もいる、障害を負ったってこういう風に生きていいんだというロールモデルとなってくれる。この手の本で、闘病記のような暗さがほとんどないというのは珍しい。2023/02/04
あきこ
1
真子さんから学ぶことはたくさんあったけど、一番は毎日を幸せに生きる大切さ、幸せに生きようと努力する大切さの所。でも"そうは言っても自分には…"とまだどこかで思っているようなので、また何度も読み返したい。2021/09/01
そ吉
1
「失敗してもプラスで締めて終了!」という言葉が表している。 事故による突然の障害そのことも含め自分自身として捉えている渋谷真子という一人の女性の強さに感動した。 実践による当事者としての著者の経験が、インクルージョンとは何か考えさせられる。 ★★★★☆2021/06/04