- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
名伯楽が40年の競馬人生で体得したもの。
日本馬として初めてドバイワールドカップを制したヴィクトワールピサ、64年ぶりに牝馬のダービー馬となったウオッカ──調教師として数々の金字塔を打ち建ててきた角居勝彦氏だけに、「厩舎解散」の報せは衝撃を持って伝えられた。
「初めて馬に触れてから40年近く、競馬の世界でお世話になりました。本書では、その間に私が見たたこと感じたこと、そして勝つために努力したこと、勝つことで確信できたことなどを綴っていくつもりです。競馬に使う側の考え方や方法論を知ることで、大いに馬券検討の参考になるはずです。競馬を支えてくださったファンの方への恩返しのつもりで(中略)正直に打ち明けました」(本書「はじめに」より)
トップステーブルはどういう基準で騎手を選んでいるのか、オーナーとのコミュニケーションは? レース選択のポイント、厩舎コメントに込められた思い、スタッフのマネジメント術から日本競馬界が抱える課題までファン垂涎「目からウロコ」の言葉の数々。週刊ポスト誌上での連載を元に大幅に加筆再構成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんだりん
22
数々の名馬を育ててきた角居調教師。テレビで見せる愛想の良さそうな表情と、飲酒運転で現行犯逮捕される姿が全く結び付かなかったがこの本を読むと少しだけ師の内面がわかるような気がした。 馬に接する姿勢は、厩務員や助手さんと同じく、ともに戦う厩舎スタッフというような位置づけと見ているように感じる。だからこそ、セカンドキャリア確保にも熱心に取り組のだろう。仲間を大切にする敏腕経営者といったところか。 ちなみに馬券にはあまり役立たないと私は思う。★22021/10/10
雲をみるひと
19
JRAの角居調教師の本。調教師になるまでの経緯や所属馬の言及も含まれているが、主内容は調教師目線での競馬システム、馬そのもの、オーナーとのコメント、マスコミ向けコメントと言った競馬の幅広い要素に対する自身の考えが述べられており、示唆に富んでいる。科学的な視点で述べられた本でないが、必要に自身の功績を強調した内容でなく万人にとってわかりやすいと思う。2020/12/18
じょうこ
15
ちょうど1年前に引退した角居さん。泣けるタイトルで、私もつられて競馬をやめたくなったらどうしよう?と読むのを逡巡したが‥…、大丈夫! 馬への、人への愛にあふれる1冊だった。彼の長年の調教方針を余すことなく伝え、競馬ファンとしては勉強になる話ばかり。競馬場へ通うのがより楽しみになった。馬は本質的に人が喜んでくれることが大好きな動物なのだ、という。最も印象に残ったこと。お馬さんと仲良くなってみたいな。 2022/02/17
なむさん
10
はじめて角居厩舎の名を目にしたのはダービー牝馬ウオッカを知った時で、その後成人し競馬場に行くようになってからは何となくエピファネイアやシャケトラを応援しつつ、作中でも何度か語られる事件については「そんな報道もあったなぁ」くらいにしか覚えていなかったのですが、引退競走馬の為の終の棲家を運営されているという動画を先日拝見し、介護士視点で興味を持ちました。もっと早くから知っていればなぁ。馬初心者なので色々勉強になりました。お馬さんは大きくて早くてカッコいいのに賢くて健気な所もあって可愛いなぁ。2023/07/21
anken99
9
家庭の事情とはいえ、かえすがえすも角居調教師の引退は残念過ぎる。。。前作よりも、競馬ファンの立場に立って役立つ情報やお話多数。面白い。数々の名馬を生み出した名伯楽の話は、競馬ファンにとっては楽しい限り。2023/11/13