内容説明
志願した少年たちは「人間機雷」部隊に配属された。知られざる海の特攻隊! ――潜水服に酸素ボンベを背負って海底に潜み、竹竿の先に装着した機雷で、アメリカの上陸用舟艇を迎え撃つ……。本土決戦に備え結成された伏龍特攻隊に配属されたのは、まだ15~16歳の少年たちだった。不完全な装備と急を要する日程が、訓練中の彼らを次々と死に追いやる。そして終戦目前、部隊を震撼させる事件が起きた!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
wearnotequal
4
海に潜ったこともない中学生が、呼吸法を練習し重い機材を背負い海に潜る。敵を水際で待ち伏せ爆薬を先端につけたやりで攻撃する。今ではとても考えられない光景が戦中特に終戦直前には事実としてあった。脆弱な作りの潜水具により訓練中に命を落とす様子は痛々しい。特に苛性ソーダを吸い込んで暴れる様は耐え難いほど。二度と戦争は起こしてはならない。 2017/10/28
馬場誉志夫
3
15歳の海中特攻兵たち。訓練でたくさんの仲間が亡くなり、複雑な気持ちがまじわる。そして最後には、、、2016/01/29
tecchan
3
海底に潜み、竹竿に装着した機雷で米軍艦艇を迎え撃つ伏龍特攻隊。訓練中、次々に死にゆく隊員は、まだ15〜16歳の少年達。戦争に反対しながらも時代に流されてゆく上官の苦悩。「人は世を選べないが、人がもし世を選ぶことができる時代であったら、・・・」という言葉が胸を打つ。2015/07/18
micari
3
【22】神風・回天以外にも特攻隊があったことを知って読んでみた。「おらだぢみんなまだ子供でがす」苦しくなった。方言も抜けない、軍隊言葉も使えない、15歳。まだ少年なんだ、子供なんだ。なんて厳しい時代なんだろう。実践は無かったにしろ、訓練で何人もの人が死んでる。あんな装置で、何時間も海底で敵を待って、竹槍に付けた機雷を命中させるとか、普通に考えても無理なのに。そんなバカな計画のために、未来ある少年が何人も犠牲になったなんて腹が立つ。2013/09/07
mizuha
3
数年前に「伏龍特攻隊」を知った。実戦は無かった様だが、訓練中に沢山の命が失われた。誰か考えたんだ、こんな事‼志願して死地に赴く心情は、今だけでなく、30年前の15歳にだってわからないだろう。2012/08/14




